近年、デジタルマーケティングの進化は著しく、食品業界においても顧客との接点を強化するためのデジタル活用が加速。江崎グリコは「お客さま起点」を軸にしたデジタルマーケティング戦略を展開し、データを活用したエンゲージメント強化に取り組んでいる。江崎グリコ デジタル推進部長の武子弘司氏に話を聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』4月号の巻頭特集「注目40社のデジマ責任者に聞く 【施策・人材・組織】2025年の戦略と課題」の転載記事です。
Glicoメンバーズを中心とした3つの顧客層によるマーケ戦略
江崎グリコはデジタルマーケティングにおいて、顧客との関係を深めるため、マーケティング戦略を次の3つの顧客層で考えている。
ひとつ目の層は「Glicoメンバーズ」会員を中心とした顧客。「Glicoメンバーズ」はここ数年で大幅に増加しており、特に会員コミュニティ「with Glico」やダイレクトショップ・スマイルビスコでの購入者、グリコピアやキッザニアの予約・利用者などが大きく貢献している。同社はこれらのサービスを通じて、会員に対して特別なコンテンツや購入体験を提供し、ブランドとの関係を強化しているという。
2つ目の層は、同社のSNS(お気に入りやお友だち登録者)を中心とした顧客。Glico公式SNSでの発信のほか、ポッキー・プリッツなどのブランドキャンペーンを通じて、非会員層にもロイヤル化を図るため、「Glicoメンバーズ」の会員化を目指す。
3つ目の層はオンラインに加えてオフラインの流通の顧客。流通とのタイアップキャンペーンなどの取り組みを通して、購買データの活用・購買行動の可視化に取り組んでいる。
江崎グリコが展開する会員コミュニティ「with Glico」。同社はこの会員を含む「Glicoメンバーズ」を中心とした3つの顧客層によるマーケティング戦略を立てている。
2022年設立のデジタル推進部、企画・運用などの内製化を推進
江崎グリコのデジタル推進部は、2022年12月に各部門にあったデジタルマーケティング関連組織を束ねて発足。
「お客さま起点のデジタル推進を徹底し、お客さま・社会に貢献する部門になるよう努めています」(江崎グリコ デジタル推進部長 武子弘司氏)。
なお、本部門は次の5つのグループで構成されている。
①D2Cグループ:主にファンサイトや直販ECサイトの開発・企画・運用
②デジタルビジネス開発グループ:主にアプリを活用したビジネス開発・企画・運用
③カスタマーリレーションズグループ:主にビッグデータ蓄積・分析、SNS企画・運用
④Cコマースグループ:主に流通ECでの販売戦略・データ活用
⑤デジタル企画グループ:①~④を担う人財の獲得・育成や新技術導入の研究・推進
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