イケメン俳優5人のCM起用に見る、洗濯への認識アップデートへの強い意志/花王

松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、間宮祥太朗、杉野遥亮のイケメン俳優5人が仲良さそうに洗濯について語る花王「アタックZERO(ゼロ)」のCM。そもそも「#洗濯愛してる会」とは……。元味の素クリエイティブディレクターの名久井貴詞さんは、「洗濯」という行為そのもののイメージをアップデートしていくことの必要性を、広告主が強く感じていたからではないか、と考えています。

花王 アタック ZERO ファッションショー篇(30秒)

タレント5人起用に広告主の強い覚悟を見た

今回は、花王の「アタックZERO(ゼロ)」のCMを取り上げるのですが、「5人のイケメン俳優を起用しているこの座組みは?」という視点を求められました。

なぜこのようなタレント構成を続けているのか? 本来であれば、直接、花王の広報に聞いていただくのが早いかもしれないが……、広告主目線から推測するに、単に時期が来たからタレントを変えるでもなく、最近の流行だから多数のタレントを起用するというものでもないと考えられます(タレントを多数起用することは、メーカーにとってCM制作費以外にタレント契約費が高額になるので簡単に容認できるモノではありません)。相当な覚悟が必要になると思われます。

おそらく、洗濯洗剤というカテゴリーが持つお客様の強い、強いイメージが作用しているのではないかと予測します。

今回の対象のCMは、スティックらしき白い細長いステージに、各タレントが“食べこぼし”“皮脂汚れ”“汗臭”の各現象をタレントなりに演じ、“全部まるごと”“パーフェクトスティック10万粒の発泡パウダー” と商品の各機能を伝え、最後に“まるごと一発洗浄!”と商品価値まで順番に魅せてくれる典型的な構成に仕立て上げられています。

タレント好きの日本の消費者にとって、飽きの来ない連続したタレントの演技構成で、洗濯を明るく楽しく、しかもよどみなく最後にスッキリとさせてくれる安定CMだと思います。

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