兵庫県の西宮市大谷記念美術館は、5月31日から企画展「野球とデザインーデザインで辿る阪神タイガース」を開催する。会期は7月27日まで。
2025年は、阪神電気鉄道会社が1905年に神戸(三宮)から大阪(出入橋)間の営業を開始してから120年。さらに、甲子園球場がある西宮市の市制施行100年、阪神タイガースが1935年に大阪野球倶楽部として創設されてから90年という節目の年にあたる。
日本のプロ野球球団の中でも戦前からの歴史を持つ阪神タイガースは、「タイガース」という名称を球団創設期より一貫して使っている唯一の球団であり、グラフィックデザイナーの早川源一が生み出した虎のマークも球団と同じく長い歴史を持つ。
本展では、阪神タイガースの現在のホームグランド「甲子園球場」を含む電鉄の沿線開発の歴史を皮切りに、グラフィックデザインやファッションデザインなど、野球にまつわる様々なデザインを紹介。デザイン、ブランディング戦略という言葉や概念もなかった戦前期から、ネーミングとキャラクターという手法でファンを魅了していた阪神タイガースのデザインを紐解いていく。
主な見どころは3つ。1つ目は、阪神タイガースのマークの生みの親・早川源一。阪神電鉄の社員として電鉄のグラフィックデザインを手がけながら、タイガースのマークを残した早川について、野球関連の作品はもちろん、書籍の表紙や最晩年の自画像(油絵)など、これまで焦点のあてられる機会が少なかった作品群にも注目し、彼の足跡を辿る。