CFOはどんなKPIを見ている? インプやエンゲージメントはCFOにとってはただの「手段」

マーケティング施策の効果測定において、各企業のマーケティング担当者とCFOでは注目する指標が異なるという。実際に、CFOはどんなKPIを見ているのだろうか。CFOが関心を寄せる5つのKPIや、これらをどのように活用してROIを最大化していくべきかについて、ニールセンデジタル セールスディレクターの大瀧直文氏が解説する。
※本記事は月刊『宣伝会議』6月号の巻頭特集「マーケティングROIを最大化!宣伝部のためのMMM活用術」の転載記事です。

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大瀧直文氏

ニールセン デジタル
セールスディレクター

広告業界に19年間従事。日系広告会社の海外駐在を経て、外資系エージェンシー勤務後、2023年よりNielsenに入社。現在は、広告主・広告代理店向けに、リーチ計測やブランドリフト調査といった広告キャンペーン計測ソリューションを担当。

インプやエンゲージメントはCFOにとってはただの“手段”

広告キャンペーンの効果測定において、現場のマーケティング担当者と経営陣では、重視する指標が異なることがよくあります。例えば、マーケティング担当者はキャンペーンの実施中や直後に、リーチ(広告到達人数)、フリークエンシー(広告接触頻度)、閲覧数、聴取数、クリック数、「いいね!」などのエンゲージメント指標を注視する傾向があります。

その一方で、CMO(最高マーケティング責任者)やCFO(最高財務責任者)といった経営陣は、マーケティング活動が実際の売上にどれだけ貢献したか、つまりROI(投資対効果)指標をより重視します。

彼らにとって、インプレッションやエンゲージメントの指標は目的を実現するための手段にすぎません。実際に知りたいのは、自分たちのマーケティング投資がレジでの売上にどれだけ影響を与えているかということなのです。

マーケティング活動において、KPI(主要業績評価指標)の適切な設定と測定は企業の競争力を大きく左右する重要なプロセスです。2024年に発表されたニールセンの「アニュアルマーケティングレポート」によれば、アジア太平洋地域を中心に、マーケティングのROI測定において多くの企業が自信を示しているにもかかわらず、実際には包括的な測定能力に不整合が生じている実態が明らかになっています。

日本を含む、アジア太平洋地域においても、マーケティングプロセスのデジタル化が進むなかで、マーケターの85%がROI測定能力に高い信頼を寄せています。しかし、実際に従来型とデジタルマーケティングを統合してROIを正確に測定できているのは、実に67%にとどまっているという結果に。

これは測定に対する意識と実際の能力とのギャップを示しており、KPI設定の精度向上が課題となっています。

これまで以上に求められる投資成果の説明責任

昨今、日本の広告主はマーケティング投資の成果に対して、これまで以上に厳しい説明責任を求められるようになっています。この背景には、従来のテレビCMをはじめとするメディア環境の変化があります。

具体的には、GRP(総世帯視聴率)の低下傾向や、多様なデジタルメディア、特にSNSの台頭によって、従来のマスリーチ戦略の効果測定や効率化が複雑化していることが挙げられます。

そんな状況のなか、特に財務的視点を重視するCFOが関心を寄せるKPIを次に5つ挙げます。

…この続きは5月1日発売の月刊『宣伝会議』6月号で読むことができます。

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