『怪人二十面相』などで知られる小説家の江戸川乱歩が暮らした「旧江戸川乱歩邸」(東京・豊島)が5月19日、改修工事を経てリニューアルオープンした。前日の18日には立教大学池袋キャンパスでリニューアル記念イベント「江戸川乱歩DAY」を開催した。
貴重資料と共に乱歩の足跡を辿る
旧江戸川乱歩邸は、『D坂の殺人事件』や『少年探偵団』で知られる小説家・江戸川乱歩が、1965年に70歳で亡くなるまで31年間暮らした邸宅。現在は隣接する立教大学が管理をしているが、この度、経年劣化の改修に併せて内装を大幅にリニューアルした。
大日本印刷が展示計画に携わった展示室では、乱歩が戦時中に自らの半生を整理・記録したスクラップブック「貼雑年譜(はりまぜねんぷ)」や三味線をはじめとした愛用品などの貴重資料を公開。小説家だけではない乱歩の新たな側面を垣間見ることができる。
公開された展示室。小説家としての乱歩はもちろん、平井太郎(乱歩の本名)の足跡も貴重資料と共に公開している
他にも乱歩の肖像画や実際に座っていた椅子が並ぶ応接室、国内外の貴重書が揃う土蔵内の書庫など、生前の乱歩の面影を感じられる空間が広がっている。
玄関横の応接室。左奥にある大きめの青い椅子が、乱歩の定位置だった
乱歩邸プレオープン日の18日に開かれた「江戸川乱歩DAY」では、会場の立教大学キャンパス内で複数のイベントを実施した。