ヤッホーブルーイングにとっても、セブン-イレブンとの共同開発は多くのメリットがあった。原材料費の高いヘイジーIPAでありながら、税込350円を切る価格設定を実現できたのは、セブン-イレブンの店舗網での販売を前提とした大量生産の効果も大きい。全国の店舗に供給するため、ヤッホーブルーイングとしても「過去最大の生産量」だとしている。実際、先行販売時には価格設定が消費者から高く評価された。
セブン-イレブンと共同開発することで、同社が持つ広範な店舗網に加え、膨大な顧客データや知見を活用できた。消費者への調査も共同で実施し、味や価格設定などもセブン-イレブンの意見を反映。味にこだわった結果として価格は高めとなったが、セブン-イレブンは過去の知見から適正だとアドバイス。ヤッホーブルーイングの井手直行社長は「セブン-イレブンの力がなければ、この完成度にはならなかった」と振り返った。
セブン-イレブン・ジャパン商品本部の上條智氏は、ヤッホーブルーイングについて「モノづくりの情熱と技術に惚れ込んだ」と述べた。同商品の発売に伴い、一部店舗ではビール売り場の拡大を予定している。スペースを広げない店舗でも、品ぞろえの見直しなどを行う予定。今後もクラフトビールの取り扱いを増やしていく方針だ。
