【出席者】
アンカー・ジャパン マーケティング本部 本部長 加藤 ひと彩氏
亀田製菓 執行役員 マーケティング戦略本部長 三宅 隆介氏
セブン銀行 執行役員 ブランドコミュニケーション部長 能勢 恵美氏
フンドーダイ 事業企画室長 中山 寛氏
写真左から、フンドーダイ 事業企画室長 中山 寛氏、セブン銀行 執行役員 ブランドコミュニケーション部長 能勢 恵美氏、アンカー・ジャパン マーケティング本部 本部長 加藤 ひと彩氏、亀田製菓 執行役員 マーケティング戦略本部長 三宅 隆介氏。
異なる各社がつくる顧客との接点とは
2025年11月より活動を開始したCMOのコミュニティである「CMO X」。2024年4月に開催された第38回研究会では、アンカー・ジャパン、亀田製菓、セブン銀行、フンドーダイのマーケターが集い、各社が取り組んできた戦略や課題などを共有した。
研究会は各社のカスタマージャーニーやUSPの発表から始まった。亀田製菓の三宅氏は、4つの真実の瞬間(Moment of Truth)の概念を提示し、菓子の非計画購買型の選択において、購買の現場でブランド・商品が想起集合に入れるかが重要だと話す。生活者におけるマインドシェアを最大化するために、各種広告・CP・SNSを通じた価値訴求の施策を打っている。また、亀田製菓は菓子だけの米菓業からお米で価値創造する米業への転換を図り「ライスイノベーションカンパニー」という中期ビジョンのもと、米菓・米粉パン・保存食・米由来の機能性素材から廃棄する米資材のアップサイクルに至るまで、お米の研究開発・加工技術こそがUSPだという。
セブン銀行の能勢氏は、「当社のATMでは年間10億件の取引が発生している」と話す。さらに、昨今は、インバウンド向け海外発行カードで日本円の引き出しができたり、キャッシュレス化による決済手段の多様化に対応した現金チャージなど、セブン銀行のUSPは同社のパーパスである「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」の姿勢から生み出されているものばかりだという。
フンドーダイの中山氏によると、これまで顧客接点が小売店頭・ECモールが中心で、カスタマージャーニー改良改善に出遅れていた。そこで浅草かっぱ橋にマーケティング拠点=アンテナショップを2022年にオープン。従浅草かっぱ橋での購入者の多くは外国旅行客と料理人。醤油の日常利用がそう高くはない外国人にレシピ提案するため、NFCタグを活用。NFCスマートフォンをかざすことで、商品紹介やレシピ情報を見ることができ、どの国で使用されているかわかる仕組みにしている。USPは、150年続く発酵技術の伝承、商品開発力、伝統と革新だと話す。
アンカー・ジャパンの加藤氏は、オープンイヤー型のワイヤレスイヤホンを事例としたカスタマージャーニーを紹介。イヤホンになんとなく不満を持っているが、それを積極的に解決しようと行動していない人をターゲットに、“ながら聴き”ができることを認知してもらい、Soundcoreを選ぶように情報提供を行うことを設計している。USPは、角度やサイズ調整によるフィット感、音の良さ、長時間再生できる点だ。