コラボ商品は即完売…… 韓国発のリアリティ番組が人気のワケ 

本記事は月刊『販促会議』6月号「なぜ、消費者は「リアリティ」に惹かれるのか?」特集に掲載されている記事の転載です。記事の全文は以下よりご覧いただけます。
 
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昨今、韓国発の料理リアリティ番組が人気を集めている。放送後、コラボ商品は即売り切れ、入手困難になるほどの反響ぶりだ。放送時のみの一過性の流行にとどまらず、消費行動に大きな影響を与える理由はどこにあるのだろうか。本記事では、韓国トレンドに詳しいkakeruのプロデューサー佐々木日菜氏が、韓国リアリティ番組の魅力が視聴者の消費行動に与える影響を深掘りする。

視聴者の心を掴み、世界中で高い人気を誇っている韓国発のリアリティ番組。人気番組はシリーズ化されることも珍しくなく、日本国内でも人気コンテンツになっている。これらの番組が国境を越えて高い人気を誇る背景には、どのような要因があるのだろうか。kakeruの佐々木日菜氏が言及したのは、リアリティ番組が持つ“視聴者の感情の動きに注目したつくり込み”だ。

最初はフラットな状態で番組を見始めていたとしても、回を重ねるごとに出演者への共感や応援の感情が無意識的に育てられていく……。このストーリー設計が人気の要因ではないかと佐々木氏は話す。

「特に恋愛リアリティ番組やオーディション番組では、出演者の中から“推し”を見つけたり、彼らの成長や挑戦に一喜一憂したりする視聴者が多いですよね。“推し”を見て、応援することで生まれる感情の“起伏”が、リアリティ番組に惹かれる要因ではないでしょうか」(佐々木氏)。

佐々木氏によると、リアリティ番組はドラマや映画作品に比べて、視聴者が出演者との感情的なつながりを築きやすいのが特徴。また、リアリティ番組は視聴者の感情が大きく揺れ動くことから、視聴の充実感や満足感も芽生えやすいという。

「視聴の満足感を一度経験すると、もっと見たくなるという感情・行動になるのは理解しやすいですよね。つまり、満足感や共感をまた味わうために、視聴者は同じリアリティ番組ジャンルの別のコンテンツも視聴するようになります。このような循環が、視聴者を引き込み続ける要素となり、同様の番組が成功する要因のひとつだと思いますね」(佐々木氏)。

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「出演者は一般人」がもたらす視聴体験の没入効果

中でも、韓国のリアリティ番組が成功を収めている要因のひとつに、“新ジャンル”の登場があるという。リアリティ番組というと、従来は主にK-POPアイドルのオーディションや恋愛をテーマにしたものが主流であったが、最近では異なる要素を取り入れた番組も登場している。

佐々木氏が特に注目しているのが、Netflixで放送された『白と黒のスプーン ~料理階級戦争~』(以下、「白黒」)だ。

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