6月27日から、思文閣京都本社において、グラフィックデザイナー・菊地敦己氏の個展「机上の空間」が始まる。本展は、菊地氏にとって西日本では初の個展となる。
紙上の紙(バラ) 2023 / printed 2025 84.1 x 59.4 cm 漆喰加工紙に顔料プリント 額装 Edition of 2
菊地氏は、これまで美術や工芸、建築、ファッションなどの分野を中心に、アートディレクター、グラフィックデザイナーとして活動。これまでの主な仕事に、青森県立美術館(2006)、PLAY! MUSEUM(2020)、横浜美術館(2024)などのVI・サイン計画。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、金沢21世紀美術館、菊池寛実記念 智美術館、東京国立近代美術館などの展覧会グラフィック。ミナ ペルホネン(1995-2004)、サリー・スコット(2002-2021)などファッションブランドのアートディレクション。杉並区大宮前体育館(2014)、宮島口旅客ターミナル(2020)など公共建築のサイン計画などがある。
Vertical Grid (paper plane)
紙上の紙(チューリップ) 2023 / printed 2025 84.1 x 59.4 cm 漆喰加工紙に顔料プリント・額装 Edition of 2
グラフィックデザインの活動と同時に、平面表現に言及した実験的な作品の制作を継続的に行ない、発表してきた菊地氏。本展開催にあたり、次のようにコメントしている。
「何を描くかということよりも、平面上のどの位置に図像を置くか、ということへの関心が強い。ただ安定したものでは退屈だけれど、位置が定まらなければ成り立たない。平面上に空間を組み立てることができたなら、仮想の重力や時間によって図像は必然的な動きを得る。次に、それをどのように止めるかに腐心する。大抵はその繰り返しだ。上手くいけば、力が働きつつ止まった状態を作ることができる」
今回は、デスクトップで設計された絵の新作と旧作を交えて展示。さらに菊地氏は、思文閣が所蔵する良寛、酒井抱一、熊谷守一、福田平八郎などの近世・近代の書画の展示において、構成も手がけた。また、菊地氏の作品が並ぶ空間には、陶芸家 宮永理吉の70年代の作品も展示され、来場者は時代や様式を超えて呼応する美の空間を楽しむことができるだろう。会期は、7月11日まで。
菊地敦己 机上の空間
会期:6月27日(金)~7月11日(金)
会場:思文閣 京都本社
時間:10:00 – 18:00
日曜休廊・入場無料

鳥の窓(ピンク) 2025 84.1 x 84.1 cm 漆喰加工紙に顔料プリント 額装 Edition of 2
鳥の窓(黄色) 2025 84.1 x 84.1 cm 漆喰加工紙に顔料プリント 額装 84.1 x 84.1 cm Edition of 2