デジタル広告全体の透明性と品質の向上に期待
「デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)」の認証方法が変更される。同制度は、不正に広告費を詐取する「アドフラウド」などへの対策として、基準を満たす広告事業者を認証するもの。これまで認証方法の一つとして認められていた、事業者自身が実施する「自己宣言」は2025年1月に新規受付を停止しており、2026年に廃止される。今後は日本ABC協会による「第三者検証」などを通した信頼性の高い認証制度への移行を図る。
JICDAQは2021年3月に、日本アドバタイザーズ協会(JAA)、日本広告業協会(JAAA)、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の3団体が共同で設立した。デジタル広告の品質担保を目的とし、「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」や「アドフラウドを含む無効トラフィックの除外」といった課題に対処する業務プロセスを検証・認定している。認証を受けた事業者は、証明書や認証マークの発行、JICDAQの登録者リストへの掲載といったメリットを享受できる。2025年6月時点で認証事業者数は176社に達している。
JICDAQの認証を得る方法には、自社で検証したうえで報告書を提出する「自己宣言」、海外で同様の認証を受けている事業者が行う「海外認証」、日本ABC協会が実施する「第三者検証」の3つがある。
日本ABC協会は、2021年7月から検証業務を開始し、認証取得に必要な組織体制や業務プロセスの構築支援も実施している。同協会は事業者の取引内容に応じた検証項目をヒアリングし、証拠資料を確認したうえで認証を行う。
事業者は品質基準や対策をポリシーとして定め、それを実行するための業務プロセスや業務フローを構築し、ガイドラインやマニュアルなどの形で文書化する。これにより、担当者が交代しても、JICDAQが求める業務水準を維持できる体制の構築を図る。