人々の輝きや思いを伝えることで、人と人がつながるきっかけになる広報紙を(内子町・山田史郎氏)

広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、地方自治体のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のスキル形成について考えているのでしょうか。本コラムではリレー形式で、自身の考えをお話いただきます。久御山町役場の井上 裕貴さんからの紹介で、今回登場するのは、愛媛県内子町の山田史郎さんです。

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山田 史郎氏

内子町役場 企画情報課
広報・広聴係 係長 

Q1:現在の仕事内容について教えてください。

『広報うちこ』の編集を担当しています。発行は毎月1回。現在は紙面の企画から取材(インタビュー・撮影)、記事制作、レイアウト、校正までを一貫して担当しています。

広報紙は月初めに区長を通じて町内全戸に配布します。また電子版(PDFデータ・ウェブブック)を町ホームページで公開しており、令和6年からは町公式LINEで『広報うちこ』発行情報の配信も行っています。

Q2:貴組織における広報部門が管轄する仕事の領域について教えてください。

広報紙の編集・発行がメインの業務です。その他にInstagram、LINEなどSNSの運用、ホームページの管理、防災行政用無線による町内放送、報道機関へのプレスリリースなどを行っています。

Q3:ご自身が大事にしている「自治体広報における実践の哲学」をお聞かせください。

『広報うちこ』のテーマは、「ふるさとの香りがする広報紙」です。

平成17年に旧3町が合併して現在の内子町となった頃、当時の広報担当職員は町内の各地域のすてきな人や景色を共有し、まちをつなぐことが広報紙の役割だと考えました。なかなか思うようにいかずモヤモヤする中、ある広報担当者と出会い「内子にしかない広報紙、ふるさとの香りがする広報紙をつくれ」という言葉をもらったそうです。ここにしかない、ふるさとの香りがするものとは――。出した答えは「人」でした。この考え方は『広報うちこ』の歴代担当者に受け継がれています。

人々の輝きや思いを伝えることで、皆さんにまちのことをもっと知ってもらい、人と人がつながるきっかけになってほしい。そんな思いから、『広報うちこ』には人を紹介するコーナーがたくさんあります。全国大会出場者や永年の活動に取り組む人、夢を語る小学生、寄稿者が次の寄稿者を紹介していくリレー形式のエッセイなどで、たくさんの住民が登場します。『広報うちこ』は町民の皆さんの、笑顔と思いでできています。私たち広報担当者の役割は、頑張る皆さんの姿をしっかりと捉え、思いに耳を傾けて、その魅力がまっすぐに伝わるように書くことだと思っています。

広報担当者にとっては毎月のことですが、広報紙に登場する人にとっては一度きり。だからこそ、イベントのニュース記事ではその年ならではの情報、インタビューでは対象者の人柄まで伝わるようなエピソードなど、その人で、その時しか書けない文章を書きたい、といつも心がけています。

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