東京都は3月27日から、都庁第一本庁舎を舞台に通年で上映しているプロジェクションマッピング「TOKYO Night & Light」で、学生が制作した新作4本の上映を始めた。公開されたのは、東京都立大学のCtrl+による「東京エレベーター」、東京造形大学の切子のkillikoによる「Tokyo Crossing」など。都庁舎の巨⼤な垂直構造を、地下深くから宇宙へと繋げる軌道エレベーターに見立てた作品や、都庁舎の幾何学的な美しさを江戸切子や水引などの伝統工芸と重ね合わせ、日本の「型」の美学を映像で表現した作品が投影される。都は、これらの作品が約3カ月にわたりトップクリエイターの指導とサポートを受けて制作されたものだとしている。
左上から時計回りに、「東京エレベーター」Ctrl+(東京都立大学)、「Tokyo Crossing」切子のkilliko(東京造形大学)、「Hand『Restructure』」RinKamitani(ドルトン東京学園高等部)、「巡りゆく季節」Smiley Progress(東京コミュニケーションアート専門学校)
「TOKYO Night & Light」は、都庁第一本庁舎の東側壁面をキャンバスに、光と音で多彩なアートを表現するナイトコンテンツだ。東京都と東京プロジェクションマッピング実行委員会が主催し、荒天時などを除き毎日上映している。常設型の建築物へのプロジェクションマッピングとしてギネス世界記録にも認定されており、2026年1月には累計来場者数が100万人を突破。来場者の約5割を海外観光客が占めるなど、新宿の夜間観光拠点として定着が進んでいる。
大阪万博パビリオンや池袋アニメプロジェクションマッピング演出家が指導
今回の学生作品上映は、同プロジェクトを単なる観光演出にとどめず、次世代クリエイターの発表と育成の場として活用する取り組みの一環でもある。東京都は今年のプログラムについて、企画立案や映像制作に関する講義、映像表現のオンライン指導、現地での音響・映像フィードバック、作品制作への伴走支援などを実施したとしている。
講師には、東京国際プロジェクションマッピングアワードの立ち上げに携わり、空間体験のプロデュースでも知られるULTRA PLANETの早川正祐氏、プロジェクションマッピングやプラネタリウム演出のほか大阪・関西万博シグネイチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」の超時空シアターの演出・CGを担当したSMALTの西郡勲氏、LILのアニメーション作家 / 視覚芸術アーティストの橋本大佑氏のほか、池袋のとしま区民センターに「葬送のフリーレン」「ダンダダン」など4作品のプロジェクションマッピングが投影された「ANIME TOKYO NIGHT」を手掛けたalumniの岡翔三郎氏、河上裕紀氏が名を連ねた。
前年の2025年3月にも同様の学生作品上映を実施している。当時は多摩美術大学、武蔵野美術大学、慶應義塾大学、デジタルハリウッド大学、東京コミュニケーションアート専門学校の学生らによる6作品を上映し、国内外のクリエイターが約3カ月にわたって実践的な指導を行った。
左上から時計回りに、「Dance of Lights」un1q(多摩美術大学)、「Nontrivial Math」森大起(武蔵野美術大学)、「zero sound:experience」suimeow(武蔵野美術大学)、「SYNTHECITY」舵手の知性(東京コミュニケーションアート専門学校)、「Dream Trip」穂坂健斗(デジタルハリウッド大学)、「Hz」STUDIO24(慶應義塾大学)
同プロジェクトでは、学生作品に加えて、日本発IPを活用した大型コンテンツ展開も進む。これまでに「ゴジラ」「ガンダム」「ブルーロック」「パックマン」などとのコラボレーションを実施しており、3月20日に公開された「ポケモンカードゲーム TOKYO LUMINOUS NIGHT」の上映初日には、都民広場に約8000人が来場した。「TOKYO Night & Light」は観光誘客を担う大型IP施策と、若手クリエイター育成を目的とした学生上映を両輪で進める。
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