継続利用を促し、ブランド想起の機会提供
永谷園は公式スマートフォンアプリ「永谷園アプリ」を5月15日に提供開始した。同社商品の購入レシートを読み込むとポイントが付与され、歌舞伎鑑賞券などと交換できるほか、ログインで得た「ガチャ券」でデジタル版「東海道五拾三次カード」を収集することができる。利用は無料で、iOSとAndroidに対応する。
利益を直接生み出すのではなく、ブランド価値の向上に主眼を置く
デジタル版「東海道五拾三次カード」は、アプリ公開記念として期間限定でサンリオキャラクターとのコラボデザインを提供する。
アプリの目的は、消費者による日常的なブランドの想起だ。同社コミュニケーションデザイン部CRM課の小山純平課長によると、当面は販売促進よりもアプリの日常的な利用定着を優先する方針だ。
将来的には、頻繁にアプリを利用する顧客を招いた座談会など、企業と顧客が直接対話できるファンコミュニティの形成も見据えている。
ユーザーデータをプロモーションやUI改善に生かす
取得する顧客データの活用については、大きく「購買情報」と「アプリ活用情報」の2軸でデータを蓄積していく方針だ。購買情報においては、商品購入頻度や併売傾向を地域・年代・性別ごとに個別に追跡できるID-POSベースで取得し、商品開発やマーケティング・コミュニケーションに直結させる。一方のアプリ活用情報は、MAU(月間アクティブユーザー)やレシートの登録進捗などを把握し、UI/UXの改善に役立てる。
小山氏は、アプリの成功の定義として「事業貢献」「ブランドへの顧客満足度」、さらに食品市場全体を巻き込んだ「魅力的な場所として、いろいろなメーカーが集まる場所」となること、の3つを掲げる。
具体的なKPIとしては、ダウンロード数やMAUに加え、「会員と非会員の購買額の差(差分LTV)」などを設定している。小山氏は「多額の費用を投資する以上、事業貢献への説明責任は伴う」としたうえで、「『お客様にワクワクが届いているのか?』『お客様とのつながりがより深くなったか』を示す指標を特に重視している」と説明する。また、長期的なD2C(直販事業)展開を理想としつつも、事業的な可能性や顧客のニーズを見極める必要があるとしている。

