新潮社、「週刊新潮」「人文系新書」などパッケージ化した独自サブスクを開始 自社プラットフォーム化の狙いとは

新潮社は、週刊誌『週刊新潮』、人文系新書、国際情報サイト「Foresight」、オリジナル記事が読めるサブスクリプションサービス「新潮QUE(キュー)」の提供を開始した。料金は月額2400円(税込)、年額2万4000円(税込)。

雑誌や書籍、Web記事などを一本化したサブスクリプションサービス「新潮QUE」

外部プラットフォームを経由せず、自社による継続課金モデルを選択した理由について、新潮QUE編集部の林健一編集長は次のように説明する。

媒体特性の異なるコンテンツを連動 非読者層の開拓狙う

更新頻度や消費速度の異なる週刊誌と新書を同一パッケージにした理由について、林氏は「『週刊新潮』は必ずしも速報性に特化したメディアではない」との認識を示し、雑誌読者と書籍読者の相互誘導を狙いとして挙げる。各種記事や動画、電子書籍などのコンテンツを横断的に消費できる環境を整え、サービス内での需要喚起を図る方針だ。

紙媒体の読者は既存の枠組みで維持しつつ、新サービスではこうした横断的な消費体験によって、日常的に書籍を読まない層の獲得を狙う。林氏が掲げるのは「新しい知的習慣が身につくようなサイト」の構築だ。例えば、同サイトではサービス開始に合わせ、期間限定で橘玲氏の新書を閲覧可能にし、これに関連して同氏のインタビュー記事も同時に公開している。

自社サブスクで収益確保 マイノート機能で解約防止へ

アマゾン・ドット・コムなどの外部プラットフォームや都度課金ではなく、自社独自のサブスクリプション方式を採用した背景には、「新潮社の軸であるジャーナリズムやノンフィクション部門を支えていくため」(林氏)という。他社で見られるような単純な「雑誌の電子化」に留まらず、独自の収益モデルの構築を目指す。

サブスクリプションサービスにおける課題である解約防止の具体策としては、サイト上の記事や動画にメモを残せる「マイノート」機能を実装し、長期的な利用を促す狙いだ。一方、会員から取得する行動データなどのコンテンツ制作や広告への活用について、林氏は「サービス開始前の段階だが、有益な形で活用したい」と述べるに留めた。

今後の展開として、小説コンテンツの追加も視野に入れるが、単純な読み放題ではなく、あくまで既存コンテンツと複合させた形式で提供する方針だ。また、他の雑誌同様、新潮QUEでもタイアップ広告などの新たな広告商品の開発を進めるとしている。

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