通知オフは“拒絶”ではない 「ユーザーに残されるアプリ」の条件とは

博報堂の「博報堂行動デザイン研究所」は、15〜69歳のスマートフォン保有者の男女2000人を対象に「情報行動・欲求に関する調査」を実施し、5月19日に結果を公表した。調査結果から、情報過多感が高まる中で不要なアプリの削除やSNSアカウントのミュートなどを通じ、自ら情報を取捨選択する生活者の行動に着目。生活者が「自分に有益な情報を残し、不要な情報は手放す」行動を「剪択(せんたく)行動」と名づけた。

「剪択行動」経験は6割超 代表的行動は「アプリ削除/通知オフ」

調査では、情報全般に対する意識として、「情報は伝える速さよりも内容の確かさだ」が45.8%、「世の中の情報量は多すぎる」が41.6%と上位を占めた。

また、「SNSなどで情報の質を高める行動」として「剪択行動」を行っている人は全体の61.2%に上り、特に10代から30代で顕著だった。具体的な行動としては、「アプリ削除/通知オフ」が65.2%で最多となっている。

「剪択行動」を行う理由については、「自分の本当に知りたい情報を見つけるため」が57.1%で最多となった。一方、「情報を処理することに疲れたため」は30.7%に留まり、選択肢の中では最も低い結果だった(図1)。

なお、設問には「情報の質を高めるために」という文言が含まれているものもあり、回答傾向に一定の影響を与えた可能性もある。それでも、全体の6割超が何らかの「剪択行動」を実践しており、その代表的な行動としては「アプリ削除/通知オフ」が挙がっている(図2)。

博報堂は、今後は「信頼性の高い情報の発信」や、情報の「剪択」がしやすい仕組みが求められると予測している。

グラフ 図1 具体的な「剪択行動」の内容

図1 具体的な「剪択行動」の内容

グラフ 図2 「剪択行動」を実施する理由

図2 「剪択行動」を実施する理由

「プッシュ通知が多過ぎる」も「通知オフ」の理由に

こうした生活者による情報の取捨選択傾向は他社の調査でも裏付けられた。

マーケティング支援などを手がけるアイリッジが今年の3月に公表した「スマートフォンアプリのプッシュ通知に関するアンケート」(対象:15〜69歳の男女4016人)からも、生活者のシビアな選別姿勢がうかがえる。

グラフ 図3 プッシュ通知をオフにした経験

図3 プッシュ通知をオフにした経験

同調査によれば、全体の76%がアプリの通知をオフにした経験があると回答した。10代、20代ではその割合が約90%に達している(図3)。

通知をオフにする最大の理由は「プッシュ通知の頻度が多すぎる(60%)」だった。次いで、「配信内容が広告、宣伝ばかり(44%)」、「自分に必要な情報が届かない(43%)」と続いている。

その一方で、受け取りたい通知内容としては「お得な情報」が全年代で40%を超えた。「新着情報」「リマインド」「イベント情報」も、それぞれ20%程度となっている。

advertimes_endmark

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事