机上のぬいぐるみが会話のきっかけに―みずほフィナンシャルグループ「あおまる」

今、多くのブランドが再評価しているのが「物理的な接点」である。その中でも、スマホの画面を越えてファンの手元に届く「ぬいぐるみ」というデバイスは、いかにしてブランドへのロイヤルティを形成するのか。連載「愛されぬいの履歴書」第6回は、みずほフィナンシャルグループの「あおまる」に取材。2018年に人気声優を起用したアニメーションで華々しくデビューし、現在は全国47都道府県へと活動の場を広げるあおまる。社内外のコミュニケーションを活性化させるその戦略に迫る。

履歴書

お客さまと社員を繋ぐ「会話のきっかけ」

〈みずほ〉公式キャラクター あおまるは2018年9月、若年層に資産形成の大切さを伝える金融コンテンツ「あおまるの天使か悪魔か」でデビューした。あおまるが、「天使のあおまる」と「悪魔のあおまる」の意見に惑わされながらも、お金の大切さや計画的に行動することの重要性を学んでいく様子を、マンガ形式でX(当時Twitter)で公開。また、ウェブサイト等では、動画バージョンも展開した。

「オープニングムービー あおまるの天使か悪魔か」より。

「オープニングムービー あおまるの天使か悪魔か」より。

そんなあおまるが「ぬいぐるみ」という実体を持つに至った最大の動機は、コミュニケーションの活性化だ。

「ぬいぐるみをきっかけにお客さまとの会話のきっかけをつくりたい、そして働く社員も楽しい気持ちになってほしい、という想いから製作を決めました」(みずほフィナンシャルグループ あおまる広報担当者)。

造形面では、店舗への設置しやすさを考慮したサイズ感と、あおまるならではのかわいらしいフォルムの両立にこだわった。また、いきなり全店へ導入するのではなく、一部の店舗形態や地域で試行し、利用者や社員の反応を丁寧に汲み取った上で導入計画を立てていったという。

2025年9月に25周年を迎えたみずほフィナンシャルグループ。25周年仕様のあおまるも、店頭などに設置している。

2025年9月に25周年を迎えたみずほフィナンシャルグループ。25周年仕様のあおまるも、店頭などに設置している。

「季節のぬい撮り」で高める親近感

Instagram公式アカウントでは、季節やイベントに合わせたあおまるのコンテンツを投稿。ぬいぐるみやきぐるみが登場し、オンラインとオフラインの両面で親近感を醸成している。「ファンの方がSNSで発信してくださることで、あおまるの魅力が広がっていることを嬉しく感じています」と担当者は語る。

また、この愛着は社内にも波及。社員やその家族にもファンが多く、今や社内のコミュニケーターとしても欠かせない存在だ。

Instagram投稿より。

Instagram投稿より。

https://www.instagram.com/reel/DWn5uPny4S2/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

https://www.instagram.com/reel/DX84CAuy8dU/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

47都道府県の「ご当地あおまる」で深まる絆

2025年、全国に拠点を持つ〈みずほ〉ならではの取り組みとして始動したのが「あおまる47プロジェクト」である。

「あおまる47プロジェクト」のKVより。

「あおまる47プロジェクト」のKVより。

「地域の皆さんと絆を強めるため、全国の社員がそれぞれの都道府県をイメージして47種類の『ご当地あおまる』を考案しました。Instagramではオリジナルマンガも毎週火曜日に配信しています」。

単なるマスコットにとどまらず、各地域の社員が主体となってキャラクターを活かし、より地域に根ざしたブランド体験を提供しているのだ。

「つくって終わりではなく、みんなで育てることができるのも、自社キャラクターのぬいぐるみの醍醐味です。社内外のコミュニケーションのきっかけとして、ぜひ検討していただきたいです」と担当者は語る。

金融という、生活に密着しながらもどこか遠く感じられがちな分野において、あおまるは「感情の橋渡し役」としてその役割を果たしている。

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愛されぬいの履歴書
月刊『宣伝会議』編集部

情報が溢れるデジタル時代だからこそ、手で触れられる「ぬいぐるみ」の存在が、ブランドとファンの絆を深める特別な鍵となっています。本連載では、単なるグッズの枠を超え、ブランドの想いを届ける「広報担当」として奮闘するぬいぐるみたちにスポットを当てます。SNSで愛される「ぬい撮り」の裏側や、彼らが誕生するまでの物語を「履歴書」と共に紹介。等身大のぬいぐるみたちが、いかにして人々の心に寄り添い、愛される存在になっていったのか。その軌跡を紐解いていきます。

月刊『宣伝会議』編集部

情報が溢れるデジタル時代だからこそ、手で触れられる「ぬいぐるみ」の存在が、ブランドとファンの絆を深める特別な鍵となっています。本連載では、単なるグッズの枠を超え、ブランドの想いを届ける「広報担当」として奮闘するぬいぐるみたちにスポットを当てます。SNSで愛される「ぬい撮り」の裏側や、彼らが誕生するまでの物語を「履歴書」と共に紹介。等身大のぬいぐるみたちが、いかにして人々の心に寄り添い、愛される存在になっていったのか。その軌跡を紐解いていきます。

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