IPを継続的に展開していくための、出資や長期協業の動きが相次いでいる。代々木アニメーショングループは、人材育成やクリエイター支援、リアルなファン接点までを含めた事業基盤の強化を目指す。一方、グリーエンターテインメントは、長期協業を通じてアニメーション制作体制を整えると発表した。
作品やタレントの企画・開発だけでなく、その後の制作、展開、ファンとの接点までを見据えた取り組みが進む。両社の発表は、IPを継続的に展開していくための基盤づくりとして注目される。
三菱地所CVC、代々木アニメーショングループに追加出資
三菱地所が運営するコーポレートベンチャーキャピタル「BRICKS FUND TOKYO」は6月26日、既存出資先で教育を起点とするエンターテインメントIP事業を展開する代々木アニメーショングループへ追加出資したと発表した。同グループは2026年3月、代々木アニメーション学院、VTuber・歌い手グループなどを手がけるVOISING、ウタイテ、ASOBI GODの4社が経営統合して誕生した会社だ。
同グループは、教育事業を通じた人材育成から、タレント・クリエイターの輩出、IP価値の最大化までを一気通貫で担う体制の構築を目指す。リアルとバーチャル、グループとソロといった複数の活動形態を視野に入れ、アーティストの多角的なキャリアパスを支援する環境の整備も掲げる。
今回の追加出資では、三菱地所グループが持つ商業施設などのアセットも活用しながら、リアルとデジタルを掛け合わせたコンテンツビジネスの展開や、まちづくりにおける新たなエンターテインメント体験の共創を目指すという。
グリーエンターテインメント、サエッタと10年協業
一方、グリーエンターテインメントは6月26日、アニメーション事業を手がけるサエッタと、今後10年にわたるアニメーション企画・制作に関する協業合意書を締結したと発表した。
協業では、グリーエンターテインメントが企画プロデュースおよび製作委員会の幹事を務め、サエッタに制作を依頼する形で新作アニメーション企画を継続的に創出していく。サエッタをハブに、『片田舎のおっさん、剣聖になる』などを手がける「ハヤブサフィルム」を主な制作ラインとして想定する。
両社はすでに2027年放送予定作品で協業しているほか、長期協業後の新規プロジェクト第1弾として、グリーエンターテインメントが幹事を務めるテレビアニメ企画も2030年の放送に向けて始動した。
グリーエンターテインメントは、世界的に高まるアニメーション需要を背景に、安定して高品質な作品を制作できる体制づくりを進める。原作開発からアニメ製作、ライセンス、音楽、MDまでを手がけるIPプロデュース会社として、制作パートナーとの長期協業を通じて、継続的な作品創出を目指す。


