スポーツがクリエイティビティを救う? 転換点を迎えたカンヌライオンズ2026

② クリエイティブ面での「AIの不発」

Craft系部門のサブカテゴリに「AI Craft」が追加されるなど、今年の受賞作はAI祭りになると予想されていました。しかし蓋を開けてみれば、AIを活用した作品はDigital Craft部門のグランプリこそあったものの、Film Craft部門ではブロンズ1本、Industry Craftでは0本といった結果に。他部門でもAIを押し出した受賞作は昨年より目立っておらず、むしろアナログ・クラフト(AIを使わない価値)をアピールする作品が多かったです。

一方で、セミナーはAIだらけ。「Advertising in the Age of AI(AI時代の広告)」(OpenAI)や、「Robots Can’t Build Brands(ロボットはブランドを構築できない)」(P&G)などAIが主題のセミナーをプラットフォーマーやトップクライアントが開催。マーケティングの方がAIとの相性は良さそうです。

ClaudeのCM「A TIME and A PLACE」の(Creative Strategyシルバー他)。

AIに関連して個人的に注目したのは、Doveの事例「R/EAL REVIEWS」(Social & Creator部門ゴールドなど)で、Resultの中に「AI推奨率の結果」が大々的に表示されていた点でした。この流れは来年以降スタンダードになりそうです。「AIから推奨されるブランドになるためにはどうすればいい?」という仕事の相談が最近増えていますが、この領域を対策するクリエイティブ&GEO(生成エンジン最適化)におけるいい先行事例だと思います。

Dove「R/EAL REVIEWS」は、Dove自社商品に関してネット掲示板Redditで集めた「消費者の生の批判や本音」をそのまま広告にして展開。

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