塩野義製薬が提供する小児ADHD向け治療補助アプリ「ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)」は、ゲーム形式を取り入れた医療機器プログラムだ。一般的なゲームとは異なり、医師の管理のもとで使用する。使用時間は1日25分、使用期間は6週間に設定されている。
移動しながら画面に登場するターゲット(上の画面では青いキャラクター)に反応する「二重課題」に取り組む。
小児ADHD向けの治療補助アプリ「ENDEAVORRIDE」。医師が発行する起動コードを用いて利用する
アプリ自体はスマートフォンでダウンロードできるが、医療機関で診断を受けたうえで、医師から発行されたアクティベーションコード(起動コード)を用いて利用する仕組みだ。費用面では医療機器として保険適用の対象となっており、公定価格は1万4500円。原則3割が患者負担となる。自治体の小児医療費助成制度が適用される場合は、さらに負担が軽減される可能性もある。
塩野義製薬は、アプリを薬の代替ではなく、心理社会的治療などに上乗せして使用する「治療補助アプリ」と位置づける。患者の状況に応じて複数の選択肢を組み合わせることが重要だとしており、その中の新たな選択肢の一つとして提供する考えだ。
普通のゲームと何が違うのか
ENDEAVORRIDEでは、画面上の障害物を避けながら、特定のターゲットに反応する「二重課題」に取り組む。編集部が確認した画面では、レーシングゲームとシューティングゲームを組み合わせたように見えるが、臨床試験で効果が確認された課題設計に基づいている。
この二重課題を継続することで、ADHDで機能低下が示唆されている前頭前野の働きを活性化し、症状改善を目指す点が特徴だという。個々の達成度に応じて難易度を自動調整し、操作結果に応じたフィードバックも行う。
子どもが継続しやすいようゲーム形式を採用する一方で、医療として適切に使うための制限もある。医療機器として使用時間や期間はあらかじめ規定し、やり過ぎにならないようにしている。操作時間などを医療従事者がモニタリングできるシステムも構築している。塩野義製薬は、楽しさと適正使用の両立が重要なポイントだとする。
患者・保護者・医師をつなぐアプリ
ENDEAVORRIDEは、患者である子どもが実際に課題を行い、保護者が使用状況を把握して継続を支え、医師が処方や治療全体を管理する構造となっている。家族だけでなく、医師が治療状況を確認できる点も、デジタル治療ならではの特徴だ。
