オウンドメディア制作が激変 「まず触ってみる」フェズの生成AI活用

様々な領域で活用が進む「生成AI」を、広報ではどのように活用できるのか。また、AI時代の広報に必要なスキルセットとは。生成AIの活用について企業の広報担当者に考えを聞く(月刊『広報会議』2026年7月号掲載)。

データ活用を軸にマーケティング支援を展開するフェズ。同社では、オウンドメディア運営や企画立案、議事録作f成など、広報・PR業務の様々な場面で生成AI活用が進んでいる。

特に大きな変化をもたらしたのが、オウンドメディア「FEZ MAG」の制作業務だ。取材後の文字起こしや記事の初稿作成に生成AIを導入したことで、従来1~2日かかっていた作業が数十分程度に短縮されたという。

一方で、同社 広報責任者の真鍋順子氏は、「最終的に外へ出せる状態にするのは人」と強調する。生成AIによって効率化が進む時代だからこそ、人間の判断力や基礎力がより重要になると考えている。

「まず触ってみる」文化

フェズで生成AI活用が本格化した背景には、自社事業との接点があった。同社では2024年、生成AIを活用したデータ分析ツールをローンチ。ツールに関するPR業務を進める中で、広報部門でも生成AIへの理解を深める必要が生まれた。真鍋氏自身も、PRとして対外発信を進める中で生成AIを使い始めたという。当初はエンジニア部門を中心に活用が進んでいたが、その後、全社的な業務利用へと広がっていった。

活用にあたっては、法務部門などが中心となり社内研修を実施。どの情報を読み込ませてよいか、どのような利用がNGかといったルールも整理した。

特徴的なのは、その浸透プロセスだ。部署主導で導入を進めるというより、「うちの部署ではこう使っている」といった事例共有や、有志による勉強会を通じて自然と全社に広がっていったという。真鍋氏は、「『新しいものだから、まず触ってみよう』という人が多かった」と振り返る。こうした文化もあり、現在では部署を問わず生成AI活用が浸透している。

オウンドメディア制作で変わった業務

広報部門で特に活用が進んでいるのが、前述のオウンドメディア「FEZ MAG」の制作だ。真鍋氏は、「最初に使ってみた時、『ここまで精度が高いのか』と驚きました。良い意味で期待を裏切るものでした」と話す。

オウンドメディア「FEZ MAG」。生成AIが出力した画像を、デザインの参考にすることもあるという。

オウンドメディア「FEZ MAG」。生成AIが出力した画像を、デザインの参考にすることもあるという。

同社では、文字起こしや記事の初稿作成に生成AIを用いている。従来は1~2日かかっていた作業が、現在では数十分程度で完了するようになった。議事録や社内資料の作成といった業務にも生成AIを活用しており、その工数削減効果は大きいと見る。また、企画立案でも、生成AIは重要な役割を担っている。真鍋氏ともう1人の広報部メンバーが、それぞれ自分の生成AIと壁打ちをして、企画案を持ち寄って議論するスタイルをとっているのだ。

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