大手企業で生成AIの導入が進む一方、業務成果につなげられている企業は限られている。AIを「導入すること」と「業務で成果を出すこと」の間には、なお大きな溝がある。
その溝を埋めるアプローチとして、ガラパゴスが提唱するのが「Operative AI(オペレーティブAI)」だ。同社でCMOを務める大黒田健人氏に、オペレーティブAIとは何か、マーケティング業務をどう変えるのかを聞いた。
チャット型AIでもAIエージェントでもない「第三の選択肢」
オペレーティブAIとは、各社の課題や業務フローに合わせて、AIを業務プロセスの中に組み込む考え方だ。社内における分析・制作・運用といった複数のオペレーションをひとつなぎにし、ワークフロー全体を自動化する。
近年多くの企業でChatGPTやGeminiを代表とするチャット型のAIが導入されているが、それらは人間の指示があって初めて動くものだ。個人のタスクの一部を最適化してくれるが、業務プロセスそのものに組み込まれるようなものではない。
そのため、企業が求めるような組織での業務効率化にはなかなかつながっていないのが現状だという。
一方で、特定の業務やタスクを自律的に判断・遂行するAIエージェントの活用には、高度なAIリテラシーやセキュリティ要件への対応が求められる。大黒田氏は、これらが企業によっては本格導入のハードルになると見る。
こうしたチャット型とエージェント型の課題に対し、オペレーティブAIは「各社の課題に合わせてオペレーションを再構築する」アプローチで企業の成果を追求する。
AIを導入しても生産性が上がらない現実
オペレーティブAIが誕生した背景には、「AIを導入しても生産性が上がらない」という現状がある。
実際に、大手企業の79.9%が生成AIを導入しているものの(パーソルキャリア調べ)、成果を感じているのはわずか4%(ガラパゴス調べ)だという。多くの企業が「導入はしたけれども正しく使えていない、使いこなせていない」というフェーズにあるのだ。なぜ、これほどまでに多くの企業がAIで成果を出せていないのか。
大黒田氏は現場の実態を次のように分析する。「AIを導入しても結局、顧客データを入れてはいけないなどの社内制約があります。AIのパワーを十分に引き出せない状態に陥ってしまうんです」。
また、使う人やプロンプトによって、アウトプットの質が大きく変わるといった属人性の高さも要因だ。
