人気アニメ「ケロロ軍曹」の新作映画をめぐり、公開前後から批判が広がっている。同作は6月26日に公開された劇場版アニメ。2010年公開の映画以来、16年ぶりの劇場版新作で、原作ファンの期待も大きかった。だが、SNSでは過度なパロディやメタ要素をめぐる批判が相次いだ。レビューサイトでの低評価や公開記念舞台挨拶の中止もあり、厳しい評価が広がっている。
パロディやオマージュは、広告・プロモーションでも話題化の手法として使われてきた。一方で、元ネタへの理解や商品・ブランドとの接点を欠けば、「便乗」「リスペクト不足」と受け止められるリスクがある。ファンに受け入れられるパロディの条件を、過去のCMや広告事例から考える。
新作映画『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』には、複数のパロディ的な演出や他作品を想起させる表現が登場する。
作中には、福田雄一氏が手がけた『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『HK/変態仮面』、実写版『銀魂』のキャラクターも登場する。他作品を想起させる場面や“福田組”色の強い演出、時事的なメタセリフが重なり、ケロロ小隊の物語を期待していたファンからは「本編と関係の薄いパロディが多い」「ケロロ軍曹という作品より監督の作風が前面に出ている」と受け止められた。
批判はレビューにも表れている。7月6日昼時点で、映画.comでは評価が1.4点、レビュー219件のうち65%が最低評価の1点となっている。Filmarksでも評価は2.3点で、1923件のレビューのうち「1.0〜2.0」が48%を占める。
7月2日に予定されていた公開記念舞台挨拶も、開催前日に「諸般の事情」により中止が発表された。レビューサイトでの低評価や舞台挨拶の中止は、同作への厳しい評価を示している。
権利処理をめぐる公式謝罪もあった。バンダイナムコフィルムワークスとバンダイナムコピクチャーズは6月25日、同作について「他作品を想起させる演出・表現」を行うにあたり、一部作品の権利者の意向に反するものとなっていたと発表した。特に『進撃の巨人』については、事前に権利者から明確な意思表示があったにもかかわらず、社内の伝達不備により制作を進行していたという。両社は社内チェック体制の見直しと管理体制の強化を表明している。
