公正取引委員会は7月10日、ベアリング大手ミネベアミツミの完全子会社で、自動車部品などを製造するミネベア アクセスソリューションズに対し、下請法と中小受託取引適正化法(取適法)に基づく勧告を行った。製造委託先36社に金型など計846個を、費用を負担せずに保管させたほか、運送事業者1社に計546時間26分の荷役作業や付帯業務を無償で行わせていた。
同社は勧告前に、金型の保管費用として580万4471円、荷役作業などの費用として129万8325円を支払っているが、公取委は、当初費用を負担せずに保管や作業を行わせた行為が、取引先の利益を不当に害するものだったと認定した。
公取委によると、同社は遅くとも2024年1月から2026年2月1日まで、金型などを使用する自動車・二輪車部品の発注を長期間行っていなかったにもかかわらず、製造委託先36社に計846個の保管費用を負担していなかった。
取引先が金型などの廃棄を希望する場合には、同社への通知と承諾を得るよう求めていた。このため、取引先は独自に処分できない一方、保管費用を負担する状態となっていた。公取委は、取引先に経済上の利益を提供させ、その利益を不当に害したと認定した。
同社は2024年1月から2026年1月までに、このうち44個を回収または廃棄した。取引先と協議したうえで、2026年4月23日までに保管費用として計580万4471円を支払った。2026年2月1日までには取引先と覚書を交わすなどし、それ以降に発生する保管費用の支払いについて合意した。
荷積み・荷卸し546時間、費用を負担せず
問題となったのは、金型の保管だけではない。同社は2026年1月から4月まで、製造した部品の運送を委託する中小事業者1社に対し、荷物の積み込み、荷卸しなどの荷役作業や、運送に付随する業務を計546時間26分にわたって無償で行わせていた。
同社は運送事業者と協議し、5月26日に荷役作業などの費用として129万8325円を支払った。金型の保管費用と合わせた支払額は計710万2796円となる。
2026年1月に施行された取適法では、メーカーなどの発荷主が、製造・販売した商品の運送を物流事業者に委託する「特定運送委託」が新たに規制対象となった。今回、公取委は、運送事業者に積み込みや荷卸しなどの荷役作業・付帯業務を行わせながら、その費用を負担しなかった行為を「不当な経済上の利益の提供要請」と認定した。
今回、金型保管の対象となった製造委託は法改正前に行われていたため旧下請法を、2026年1月以降に行った運送委託には取適法を適用した。荷役作業・付帯業務を無償で行わせる違反行為はすでに解消されていたが、公取委は、違反が確実に排除された状態を維持するための措置が必要だとして勧告した。
同社には、違反行為に当たることと、今後同様の行為をしないことを取締役会で確認するよう求めた。役員や発注担当者への取適法研修、社内体制の整備、役員・従業員への周知、取引先への通知、公取委への報告も求めた。

