資生堂のメイクアップブランド「マキアージュ」が、若年層との距離を縮めるため、ブランドの発信を大きく刷新した。新たに掲げたメッセージは、「あなたには、世界を美しくする力がある。」。2025年にブランド誕生20周年を記念して発表した「きれいは、みんなで進んでく。」から、約1年で更新した背景には何があったのか。マキアージュのブランドマネージャーを務める榊原萌々氏と、クリエイティブディレクションを担った電通の加藤倫子氏に聞いた。
資生堂は9月7日、マキアージュの新ブランドメッセージの発表に合わせ、KAZUHA(LE SSERAFIM)、穂志もえか、八木莉可子を新ミューズに起用したブランドムービーとキービジュアルを公開した。
ブランドムービーでは、商品パッケージから着想を得たゴールドの空間を舞台に、3人が一歩を踏み出す姿を描いた。楽曲には水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」を採用。シンガーのSalaが現代的にアレンジした楽曲を歌っている。
MAQuillAGE 「あなたには、世界を美しくする力がある。」ブランドムービーのカット
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約1年で変えたブランドの「語り方」
マキアージュは2025年に「きれいは、みんなで進んでく。」を掲げた。互いに高め合いながら自分らしい美しさを目指す「エンハンス文化」に着目したもの。今回の刷新について、榊原氏は「捉えている生活者インサイトは変わっていない」と説明する。
変えたのは、生活者への向き合い方ではなく、ブランドの「語り方」だ。2025年は若年層が直接共感できるメッセージを投げかけたのに対し、今回は生活者が生きる社会を一歩進めるためのメッセージへと発展させた。
背景には、先行きが見通しにくく、挑戦をためらいやすい社会への問題意識がある。
「ここ数年、少し停滞気味なムードが漂う中で、挑戦を躊躇することが当たり前の社会になってほしくないという思いから、メイクブランドとして“前進性”を発信する決断に至った」(榊原氏)
今後発売する商品についても、すべて「前進性」を体現するものにしていくという。売上やシェアだけでなく、マキアージュが前進するための自信を与える存在になっているか、接触した生活者を前向きな気持ちにできているかといったブランドイメージも長期的に追う。
同ブランドは、インテージSLIによる2025年1~12月のメイクアップ市場金額シェアで首位に立つ。一方、今後も関係を強めたい相手として挙げるのは、日本の若年層だ。
首位ブランドが目指す「憧れへの復帰」
電通に当初示された課題も、「ロングセラーブランドであるマキアージュが、もう一度若年層との距離を縮めること」だった。
