コミュニケーションの本質~「さよなら 統合報告書」に寄せて(工藤青石)

『宣伝会議のこの本、どんな本?』では、弊社が刊行した書籍の、内容と性格を感じていただけるよう、本のテーマを掘り下げるような解説を掲載していきます。言うなれば、本の中身の見通しと、その本の位置づけをわかりやすくするための試みです。今回は、コミュニケーションデザイン研究所代表の工藤青石さんが『さよなら 統合報告書』(ウィルズ/パンハウス 共著)を紹介します。

「統合報告書」という正直聞きなれないテーマと読み始めると「さよなら」のタイトルが暗示するように、課題を正直に書き連ねる内容はこうしたビジネス書には珍しいことではないかと感じたと同時に、その誠実さから、このテーマをより良い方向に読者も一緒になってもらって進んで行きたいという筆者の目標を感じ取った。

そこでやや自分とは専門領域が異なるこの本の内容を自分の仕事と照らして解釈してみた。今までさまざまな媒体を扱ってきたが、次々と現れる新しいメディアに向かうとき当然最初は初めての経験だ。その分野に対しての専門知識が希薄だとしても、そのメディアが必要であるならそれを用いてコミュニケーションを行ってきた。そこにある私の考えは、メディアが違ってもコミュニケーションの本質は変わらないという発想だ。

色々なことをしてきたので「あなたはどの分野のデザインが専門ですか?」とよく聞かれたが、どれと答えるのも違うと考えていた。その時専門で分けるのではなく、そこにある共通項は何かを答えるのが良いのではと考えるに至った。パッケージ、グラフィック、空間、専門的に必要なデザインの知識やスキルや経験はまるで違う。

しかし改めて考えると共通することは「必要なコミュニケーションをデザインによって導くこと」だった。そしてデザインの分野を超えてブランドをデザインするという発想もそのつながりの中にある。

書影 『さよなら 統合報告書』(株式会社ウィルズ / 株式会社パンハウス著)定価2,000円+税

『さよなら 統合報告書』(株式会社ウィルズ / 株式会社パンハウス著)定価2,000円+税

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宣伝会議のこの本、どんな本?
宣伝会議 書籍編集部

宣伝会議書籍編集部では、広告・マーケティング・クリエイティブ分野に特化した専門書籍の企画・編集を担当。業界の第一線で活躍する実務家や研究者と連携し、実践的かつ最先端の知見を読者に届けています。

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