筆者はヨックモックが好きだ。
学生としてニューヨークで暮らしていた頃から最近に至るまで、アメリカ人へのギフトに何度もヨックモックを選んできた。日本からのお土産はもちろん、誕生日やお礼、誰かの家を訪ねるとき、職場の人たちに分け合ってほしいとき。日本のブランドでありながら、長い説明を添えなくても楽しんでもらえる。日常のお菓子よりも特別で、それでいて相手に負担を感じさせるほど大げさではない。この絶妙な距離感が、アメリカでギフトを選ぶときにとても頼りになる。
味が好きなのはもちろんだが、筆者が惹かれるのは、ヨックモックがまったく力んでいないところである。
日本のお菓子は、ときに可愛すぎる。味はすばらしいのにパッケージが安価に見えたり、説明文が多すぎたり、季節感や高級感を盛り込みすぎて、デザインが細かくうるさくなったりすることもある。ヨックモックは違う。缶の形、直線と平面の収まり、グラフィック、色。そのすべてに「静」のこだわりを感じる。おいしさも、高級感も、日本らしさも、大声で主張しない。何かを足して価値を誇示するのではなく、余計なものを入れないことで品格を保っている。
ヨックモックが、ニューヨークで開催されたSummer Fancy Food Showに出展。会場では抹茶味のシガール「Cigare au Matcha」が人気だった。Photo: Niena Etsuko Hino
華美ではないが、印象には残る。可愛らしさに頼らないが、冷たくもない。ヨックモックの缶には、抑制のなかに、人に贈るものとしての丁寧さがある。
NY在住の筆者は、ヨックモックをギフトとして必要とするとき高級百貨店のBergdorf Goodmanへ行く。オンラインでも購入できるが、ギフトはその日、あるいは翌日に必要になることも多い。ニューヨークですぐに手に入れたいと思えば、頼れるのはBergdorf Goodmanだ。
(Saks Fifth Avenueでも取り扱いがあるようなのだが、足を運ぶのはBergdorfのほうが筆者には便利であり、購入したものをヨックモックの袋に入れてもらえるわけではないため、Bergdorfの袋で渡してもらえるほうをつい選んでしまう)
