パックご飯「サトウのごはん」などを展開するサトウ食品は9月30日、東京・表参道に期間限定のおにぎり専門店「炊飯器のない塩おにぎり専門店 Powered by サトウのごはん 新定番」をオープンした。パックご飯をレンジで加熱し、シンプルな塩味のおにぎりを販売する方法で、こだわりの製法や味を気軽に体験してもらい、周知する狙いだ。10月4日まで。
店内には調理場があるが、あるのは同社のパックご飯と電子レンジのみ。レンジで加熱したパックご飯をスタッフが握ってくれる仕組みだ。本当に電子レンジの「チン」という音が聞こえるが、冷めてもおいしいことを知ってもらうため、あえてホカホカの握りたてではなく、少し置いたものを販売している。具材や濃い味付けをせず、香りや甘み、食感などコメそのもののおいしさを感じてもらうため、塩味にこだわった。
店舗の外観
この店舗で使われているのが、2026年2月に発売された「サトウのごはん 新定番」。これまでの商品ではコシヒカリなど単一原料米を使っていたが、「新定番」では、複数の銘柄米を独自の割合でブレンド。近年のコメの高騰で、パックご飯の需要も大きく変わり、同社の担当者は「パックごはんへの関心は大きく高まったと感じている」と実感を語る。コメの価格上昇や品薄をきっかけに、パックごはんを日常的に利用していない人にも選ばれる機会が増えたという。
こうしたコメの価格変化や気候変動を受けて収量、調達の状況が変わっても、複数の銘柄米をブレンドする手法ならば、単一原料に頼らずとも安定して商品を供給できるというメリットもある。また、担当者は「時短・簡便ニーズが高まる中で、必要な時に必要な量だけ食べられるパックごはんの利用シーンは、着実に広がっている」と手ごたえを感じている。
一方で、「便利」という理由ではなく、味、おいしさで選ばれることも重視する。同社のパックご飯は、独自の圧釜を使い1パックずつ炊飯。米どころ・新潟県の住民112人にブランド名などを伏せて食べてもらったところ、78.6%が「新定番」を「おいしい」と評価。55.4%が「家庭で炊いたご飯と同等以上のおいしさ」と回答したという。
圧釜のモデル
コメを巡る状況は大きく変わっているが、同社は「原料だけに価値を求めるのではなく、長年培ってきた炊飯技術や製法を磨きながら、ごはんそのもののおいしさを追求」(担当者)だ。海外で日本のおにぎりが人気を得るブームも到来しているが、担当者は「海外についても、日本の食文化やごはんへの関心が広がる中で可能性はあると考えているが、国内外を問わず、まず大切にしてきた品質やおいしさを、きちんと届けていくことが基本」と気を引き締める。
期間限定店舗は10月4日まで。おにぎりは1個100円(税込み)で、複数購入も可能。




