原研哉・深澤直人・佐藤卓らが審査、松屋銀座のデザイン展企画を公募「DESIGN GALLERY AWARD」2名のデザイナーの案を採用

日本デザインコミッティーは9月28日、松屋銀座7階の「デザインギャラリー1953」における展覧会企画を一般から公募する「DESIGN GALLERY AWARD」の選考結果を発表した。深澤直人、原研哉、内藤廣、佐藤卓、須藤玲子の各氏による審査を経て、アーティスト・デザイナーの小野栞氏、日本デザインセンターのデザイナー・鈴木結菜氏の企画が選出された。

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選定委員会による選考の様子。

「DESIGN GALLERY AWARD」は今回が初開催となる。「あなたのデザインを展覧会にしてください」をテーマに、グラフィックから建築物までジャンルを問わず空間全体を活かした展示会企画を募った。選ばれた企画は、2027年2月および4月の2期にわたり、同ギャラリーの企画展として順次公開される。

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選出された小野栞氏の展示は2027年2月17日から4月12日にかけて、「小野栞・空間の輪郭展」として開催する。

小野氏はテキスタイル技法を用いた作品を多く制作してきた。今回の企画展では極細のステンレスワイヤーを手編みし、ギャラリーのシルエットを象った大型の立体作品を設置することで、「何もない」と感じられる余白空間を立ち上げる試みだ。

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制作のイメージ。

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アーティスト・デザイナーの小野栞氏。

特定の用途や対象を決めない空間表現について、選定委員の内藤氏は「不在の表現を執念とも言える手作業で実現している」と評価し、原氏も「物質感が希薄な膜を生み出そうとする姿勢があり、ギャラリーの展示のあり方を更新するプロジェクト」と手仕事の熱量と空間概念の拡張を高く評価した。

同じく選出された鈴木結菜氏の展示は2027年4月14日から6月7日にかけて、「鈴木結菜・Structure as package 補完し合うかたち展」として開催する。

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鈴木結菜氏(日本デザインセンター デザイナー)。

鈴木氏が着目したのは、伝統的な藁による卵のパッケージ「卵つと」。その合理性と造形美のもと、素材を現代の紙紐に置き換えて包む構造を再検討する展示となる。

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制作のイメージ。

包むことの合理性と装飾性の関係性を問い直し、パッケージの領域を超えた新たな立体・構造表現を提示する本企画に対し、原氏は「『包む/包まれる』関係を丁寧に見つめ、さらなる可能性を追い求める姿勢に共感する」とコメント。須藤氏も「手仕事の構造的・造形的可能性を極めて高い完成度で探求しており、新たな建築構造や立体表現への展開を予感させる」と、その優れた完成度と探究心を称えた。

会場となる「デザインギャラリー1953」は、1964年に松屋が場所を提供し、日本デザインコミッティーがデザインの啓蒙を目的に開設した45平方メートルの小規模ギャラリー。これまで約60年にわたりコミッティーのメンバー自身が800回に迫る企画展を手がけてきたが、歴史ある空間でデザインの思想や領域を未来志向で拡張するため、今回初めて外部からの提案を募る公募企画として本アワードを立ち上げた。

アワードでは年齢や国籍、個人・企業・団体を問わず募集を行い、初年度は合計106件の意欲作が集まった。2027年には第二回を開催する予定。

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