10月13日に幕張メッセで開幕する「CEATEC(シーテック) 2026」を前に、主催する電子情報技術産業協会(JEITA)は10月6日、東京都内で記者会見を開いた。CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は、今年を「フィジカルAI元年」と位置付け、AIが実社会でどのように活用されるかが大きな見どころになると説明した。
「フィジカルAIというと、ヒューマノイドロボットや、中国でダンスやボクシングをするロボットを思い浮かべがちだが、私は決してあれが正しい姿ではないと思っている」と鹿野氏。日本らしいフィジカルAIの姿として、ものづくりや作業現場でAIを活用し、生産性向上や人手不足の解消につなげる取り組みを挙げた。
今年のCEATECのテーマは「Transformation-企業が、産業が、そして社会が変わる-」。鹿野氏は「企業、産業、そして社会がシーテックで変わる」と説明し、「これは何のトランスフォーメーションなのか」という視点で展示を見てほしいと呼び掛けた。
CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏
AIの社会実装、4つの切り口
今年はAIの社会実装を、主に4つの切り口から紹介する。ものづくりや作業現場で活躍する「フィジカルAI」、災害への備えなどにAIを活用する「予測・シミュレーション」、電力、熱、通信などAIの利用拡大を支える「社会インフラ」、そしてロボットの「目」や「耳」にあたる「五感・センシング」である。中でも鹿野氏は、「五感に訴えるセンシング技術」をAIと組み合わせた展示に注目してほしいとした。
「タスク汎用音源分離技術」(TUSS)
その方向性を象徴するひとつが、「CEATEC AWARD 2026」で総務大臣賞を受賞した三菱電機グループの技術だ。「フィジカルAIの『耳』」として、多様な音が飛び交う環境から、必要な人の声や機械の異常音などを聞き分ける「タスク汎用音源分離技術」(TUSS)を開発した。
工事現場などでは、機械音が鳴る中で人同士が会話したり、設備の音を確認したりする必要がある。同技術では、「人の声だけ」「機械のメンテナンスに必要な音だけ」といった形で、目的に応じた音を取り出すことができる。

