「不安から生まれた」ちいかわ なぜ世界に刺さるのか 海外メディアが見る共感の理由

漫画『ちいかわ』のポップアップストアが10月1日、英ロンドンの老舗高級百貨店「セルフリッジズ」にオープンした。多くのファンたちが来店しているがロンドンに限らず、こうした「ちいかわ旋風」が世界を席巻している。中国・上海で開催されている特別展にもファンらが押しかけており、海外メディアも「極東の小さなキャラクター」を通じて人生論や日本の背景を解くなど、相次いで取り上げている。

英国でも中国でもファン大集合

ちいかわのSNS公式アカウントなどによると、ロンドンのポップアップは、ちいかわと写真を撮ったり、世界観を楽しめたりする「没入型」のつくりになっているという。ぬいぐるみなどのグッズ、英国限定でサンリオとのコラボ商品が並んでおり、買い求めるファンらが長蛇の列をなしている。

ロンドンの街を歩くちいかわのキャラクターたち

ロンドンにオープンしたポップアップ店舗

中国・上海では、9月12日から中国本土で初の特別展が開催されている。漫画の一場面のほか、登場するキャラクターを上海の名物にアレンジした展示もあるという。また、2025年には中国初の公式グッズショップがオープンし、2026年は南京などにも5店舗を展開。2026年9月末には、上海に公式のラーメン店「ちいかわラーメン 豚」がプレオープンし、こちらも予約が殺到し、連日満席となっている。店内には、ちいかわ、うさぎ、ハチワレなどのフィギュアを並べた撮影スポットも設けている。

写真 商品・製品 ぬいぐるみ

海外メディアも徹底分析

本来なら「大人になったらキャラクターものは卒業する」という欧米の定石を覆して世界を席巻する「極東から来た『なんか小さくてかわいいやつ』」の人気の背景を探ろうと、海外メディアも様々な視点から報じている。

米CNNは、ちいかわのキャラクターについて「見た目よりもはるかに暗い側面が隠されている」と紹介。キャラクターが報酬を得るために検定試験を受け、草むしりをし、時には命の危険にさらされながらも危険な怪物を撃退する「討伐」に向かう世界について、「彼らが生きる世界はディストピア。難しい試験に合格し、搾取的な仕事の奪い合いを繰り広げ、ただ生き延びるために必死に闘わなければならない」と記している。

また、作品の背景について東アジアの大衆文化の研究者は、「(ちいかわは)日本特有の不安から生まれた」と分析。「高難度の大学入試、就職に必要な学歴や資格取得へのプレッシャー、先進国のなかでも低賃金である」という日本の現状と重ね、「静かに耐え忍ぶことを求める文化的なプレッシャーも大きい」と日本人の気質にもつなげた。

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