キャッチネーミングも効果を出す時代
SNSやPRの質を高めるための別の方法が『キャッチネーミング』です。僕の業務で言えば「The Breakfast Hotel」や「マツケンまみれゆうえんち」「マツケンまみれまみれ島」「かけないサングラス」「秒契約」「イケメン絵巻」などは理解の速さを意識したキャッチネーミングです(僕の前任のクリエイターの方が考えたものですが「ひらパー兄さん」も素晴らしいネーミングです)。
キャッチコピーは文章ですが、ネーミングは単語なので脳が理解するまでの時間が短くて済みます。その中でも、どんな内容なのか、をすぐに理解できる『直球ネーミング』が効果を出します。せっかく短いネーミングでも、ラテン語をもじっていたり、ドイツ語だと理解は遅くなります。
「マツケンまみれゆうえんち」は「マツケン」と「まみれ」と「遊園地」を組み合わせることで、意味はわかるけど見たことがないネーミングにしており、短時間での引っかかりと理解の速さを意識しました。「マツケンゆうえんち」と比べれば、どちらが引っ掛かりがあるか、つい内容を見てしまうか、実感してもらえるはずです。このように、現代では売上を増やすうえでネーミング技術がかなり重要なのですが、今回のコラムの主題ではないので割愛します。
「体験」の解像度を上げ、記憶に残る没入体験をつくる
SNS拡散やPR、そして現代のメディア環境で届くための最後の重要ポイントが「体験づくり」です。
ただ、「体験」という言葉は範囲が広く、それゆえ都合よく使われてしまっている側面もあります。そこで「体験」の解像度を上げ、どんな体験なら記憶に残るのか、現代で拡がりやすいのか、を研究しました。たいした結論ではないですが、僕が重要視している、拡がる体験づくりのポイントは「視覚以外を動かす」「生活の中でやっていない動きをしてもらう」「囲む」です。
たとえば、穴をくぐることで願いを叶える、という体験があります。記憶にも残り、訪れた人はみんなやってしまい、SNS投稿も多くあります。なぜかといえば、かがむ、くぐる、が普段しない動きであり、「見る」という視覚以外の感覚も使っているからです。
現代の日常生活を「動き」で捉えなおすと、多くを占めるのが「スマホを見る」、つまり手の動きと視覚です。そこで、視覚以外の感覚を動かしたり、生活の中であまりしない動きをさせると、記憶に残りやすくなります。感情も動きやすく、普段しない動きのせいで集中もするので『没入体験』になります。
昨年、森永乳業さんの関西万博ブースでは、相対的に認知が落ちていたビフィズス菌を深く刷り込むために、「ビフィズス菌!」と叫ぶと広範囲爆弾が出るVRシューティングゲームをつくり、PRやSNSで情報を拡げました。結果、森永乳業のみなさまの力で一度も行列が途絶えない人気ぶりになり、のべ95万回も「ビフィズス菌!」と叫んでもらうことに成功しました。これも視覚以外の感覚である「叫ぶ」をつかった没入体験の1つです。
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一方、視覚を使う体験であっても、視覚情報に囲まれると人は非日常を感じ、感情が動きやすくなります。スマホもパソコンもTVも、すべて平面の情報です。それゆえ、前後左右をモニターやパネルで囲むだけで非日常になり、感情が動きやすくなるのです。この効果とキャッチビジュアルを使ったのが、マツケンまみれ施策と同時期に掲出した『記憶だけで八景島シーパラダイスの生きものを描いてもらったイラストの、トレインジャック広告』です。
マツケンまみれは横浜・八景島シーパラダイスの遊園地の存在を伝え、遊園地エリアにも集客するための施策で、このトレインジャックは水族館の生きものたちを思い出してもらい、水族館に遊びに来てもらうためのSNS狙い広告です。トレインジャックで囲んだことで広告が気づかれやすくなり、感情も動くので、GWと9月でのべ50万以上のいいねを獲得し拡散され、集客増に貢献しました。
マツケンまみれゆうえんちにも、同様の囲まれる体験や、視覚以外を動かす体験、普段しない動きなど、感情が動く『没入体験』を意図的に導入しています。
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