「生みの親」は消滅、それでも75周年 老舗時計ブランド「オリエントスター」が仕掛けた“初の一手” 菅田将暉の起用に隠された「狙い」とは

スマートウォッチの普及など、腕時計を選ぶ価値観が多様化する中、老舗の機械式時計ブランドが新たな顧客層の開拓に乗り出した。エプソンジャパンは10月6日、時計ブランド「Orient Star(オリエントスター)」の誕生75周年を記念し、俳優・アーティストの菅田将暉をブランドアンバサダーに起用したと発表した。国内向けのアンバサダー起用は、今回が初めてとなる。

オリエントスターは、かつて経営不振に陥った老舗時計メーカー「オリエント時計」が生み出したブランドだ。同社は2001年にセイコーエプソンの傘下に入り、2017年には時計事業をエプソングループに承継。2026年2月には法人として消滅したが、ブランドは現在も受け継がれている。

なぜ75周年という節目に、菅田を起用したのか。背景には、従来の機械式時計ファンにとどまらない顧客層の拡大と、アジアを中心とした海外市場への発信を強化する狙いがある。同社への取材から、今回の起用に込めたブランド戦略が見えてきた。

キービジュアル撮影の様子

業績不振からエプソン傘下へ

オリエントスターのルーツは、1950年に設立された国産時計メーカーの多摩計器にさかのぼる。翌1951年にオリエント時計へと社名を変更し、「輝ける星」と呼ばれる機械式時計を作る想いを掲げて「オリエントスター」ブランドを誕生させた。

しかし、同社は業績不振に陥り、2001年にセイコーエプソンの子会社となった。2009年には完全子会社化され、2017年には時計事業をセイコーエプソンとエプソン販売(現エプソンジャパン)に承継した。

事業承継後、法人としてのオリエント時計は実質的な休眠状態となっていた。2026年2月1日にはセイコーエプソンに吸収合併され、会社としての歴史に幕を下ろした。

一方、「オリエントスター」や「オリエント」のブランドはその後も存続。現在はセイコーエプソンが企画から製造までを手がけ、伝統的な職人技と独自の技術を組み合わせた時計づくりを続けている。

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