テレビをはじめとするマスメディア、さらにデジタル領域の行動までがデータでつながるようになった時代。メディア投資戦略や効果検証にイノベーションを起こすような新たな取り組みが始まっています。本連載では企業側、メディア側、広告会社側それぞれの領域で挑戦を続けるキーパーソンに取材。これからのマーケティング、マーケティング・コミュニケーションの方向性を探っていきます。今回は、教育事業を展開するベネッセコーポレーションと博報堂による、高関与商材におけるメディアプラニングの最適化と顧客態度変容の可視化に向けた取り組みについて聞きました。
(写真左から)博報堂 統合メディアプラニング局 メディアプラニングディレクター/広告投資コンサルタント 貞包一平氏、ベネッセコーポレーション 新教育事業カンパニー マーケティング開発本部 本部長 萩原小苗氏。
「認知の先の次の一歩へ」 高関与商材が抱える課題
━━お二人の普段のお仕事と、今回の取り組みの背景となった課題意識について教えてください。
萩原:私はマーケティング横断本部の中で、「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」など幅広い教育領域のブランドコミュニケーションを担当しています。近年は獲得施策を中心としたマーケティングに注力していましたが、ブランドの存在感を中長期的に高めていこうという方針から、去年まさにブランド・クリエイティブ部を立ち上げました。教育という商材は検討期間が長く、単純にテレビCMで認知を上げれば選んでもらえるというものではありません。 すでに多くの方に知られているブランドだからこそ、ただ認知を広げるだけでなく「自分の子どもに合っていそうだ」と感じてもらうことで、その後の比較検討というミドルファネルにつなげられるような、質にこだわったアッパーファネルへのアプローチが課題でした。
貞包:私は博報堂でブランディングと獲得の両輪を回す必要がある広告主さまのメディア投資戦略立案を担当しています。認知がすでに取れているブランドの場合、「何と連動させた認知を取るか(CEPの想起)」や「検索などの次の行動にどうつなげるか」が重要。ベネッセさんの場合も、単にCPMの安さや到達数だけを追うのではなく、いかに質の高い認知と態度変容をつくるかというご相談から始まりました。
