【この記事のコンテンツ】
- 「データ活用で、コミュニケーションはマスからパーソナルへ」
日本ヒューレット・パッカード株式会社 デジタルプレスビジネス本部 市場開発部 部長 小池 亮介 氏 - 「ウェブサービスは、”人間”が主流になる」
株式会社ANALOG TWELVE 取締役CEO 内山 英俊 氏 - 「データを最大限に利用するための体制づくりが急がれる」
株式会社 オウルデータ 代表取締役社長 太田 祐一 氏
「データ活用で、コミュニケーションはマスからパーソナルへ」
日本ヒューレット・パッカード株式会社 デジタルプレスビジネス本部 市場開発部 部長 小池 亮介氏
ビッグデータの重要性が話題となる中、2012年に取り扱われたデジタルデータの総量は3142exabyteにのぼる。そのうち、構造化されたものは10%程度に過ぎない。残りの非構造化データを活用し、消費者のニーズを押さえることが重要だ。データを分析し、そこから見えてくる問題点を製品開発やマーケティングにフィードバックし、アクションへつなげる必要がある。
「今後のコミュニケーションは、マスではなくて、パーソナライズされた『個』に近づいたものになる」と予想する日本ヒューレット・パッカード デジタルプレスビジネス本部の小池亮介氏は、分析したデータを活用する手段、アクションとしてオウンドメディアに注目する。
消費者の関心というものは「自分」に近づけば近づくほど強くなり、関心があれば目を止めたり、使う時間も長くなる。一方で、関連性の薄いものは、この情報氾濫時代では見過ごされてしまう。世界のブランドオーナーへのアンケート調査でも、一番高いプライオリティーを置いているのがパーソナライズ化と関連性だという。
そのため、分析されたデータをパーソナライズし、オウンドメディアでどう展開するかが問題となる。代表的なオウンドメディアである商品パッケージは、大ロットでないと生産できないという固定概念があった。しかし今、デジタルプリントの技術を使えばこの問題を解消し、パーソナライズしたパッケージの生産だけでなく、従来のペイドメディア、アーンドメディアと組み合わせて利用すればさらなる相乗効果も望める。
実例として、コカ・コーラがオーストラリアで行ったキャンペーンや、イスラエルにおけるスプライトのキャンペーンが紹介された。ハイネケンやサッポロビールの事例では、ウェブサービスとの連動が深い消費者情報の収集を実現し、より精度の高いデータとして商品開発などへフィードバックするという新たなサイクルを紹介した。さらに、ほとんどの消費者が捨てず、2割の人が5分以上の時間をかけるといわれている請求書、これもデジタル印刷によるパーソナライズ化で究極のDMとして活用できることにも触れた。
ビッグデータ分析の結果を活用する手段としてのオウンドメディアに多くの企業がコストをかけている。小池氏は、その投資を「もう一度見直していただいて、何か違う試みができないか、といったところを提案させていただきたい。コミュニケーションのパーソナライズを実現するためのインフラはすでに存在します」と話した。
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