筆者の先週のコラムで記載した「
食品偽装問題
」が、予想通り拡大の様相を呈している。
ホテル・旅館から始まった偽装問題は、百貨店にも広がり、止まる気配がない。百貨店については、髙島屋に続き、大丸松坂屋、三越伊勢丹、そごう・西武、小田急と大手がほとんど名を連ねた。小田急については、グループとして「山のホテル」「箱根ハイランドホテル」「ハイアットリージェンシー東京」の公表が行われた直後で、系列ホテルに続き、百貨店でも偽装が行われていたことになる。
さらに、ホテルオークラやその子会社であるJALホテルズでも虚偽表示の事実を発表し、現在、その対応に追われている。
ホテルショックにおける風評リスクを検証
今回も株式会社VLeの協力を得て、著名ホテルにおける風評リスクの検証を行った。まず、一連のホテル関連の食品偽装問題の発覚から11月11日までの間にどのような風評となっていたかを総量で比較してみた。
Twitterでの推移は図1の通りとなった。
(図1)資料提供:VLe
次にテレビ放映波及状況については図2の通りとなった。
(図2)資料提供:VLe
テレビ露出におけるネガティブ広告価値換算は、各社の対応結果を如実に反映して、大きな差が出ている。
(表1)資料提供:VLe
阪急阪神ホテルズの出崎社長の辞任に追い込まれたグループホテルの偽装問題では、他を圧倒するテレビ露出と炎上が重なった。一連の「ホテルショック」と言われたホテル食品偽装の先駆けとなり、会社や社長のコメントの度重なる修正によって大きな3つの風評の山が形成された。
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白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
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