北米のカーマニアに熱狂的な支持を集めている「NITTO」。グローバルでの認知度向上に向け同社はいかにデジタルを活用しているのか?
ハイヒールの美女が乗り込んだ、一台の自動車。エンジンのスタートボタンを押すと、低いエンジン音だけが鳴り響く—。
33台のプレミアムカーを至近距離から撮影し、エンジンの始動音を収録したこの動画、実はタイヤメーカー「東洋ゴム」の北米販売子会社「NITTO USA」が作ったブランドムービーだ。4月末に公開を開始して以来、車好きのあいだで話題になり、わずか1週間で再生回数100万回を突破。現在は180万回を超えている。マニアの心をくすぐるニッチ戦略で、北米でコアなファンを増やしている同社の動画やSNS活用の取り組みを取材した。
コアなNITTOファンが続出
NITTOは、砂漠などを四輪駆動者で走るオフロード用などのタイヤを扱っている。カーレースや車のカスタマイズが日本よりも盛んな北米を中心に展開し、元々日本発のブランドにもかかわらず、売上のほとんどを北米が占めている。
最近では、ロシアや東南アジアにも徐々に販売を拡大しつつあり、グローバルブランドの認知度を高めるためのプロモーションの第一弾として作られたのが、このブランドムービーだ。東洋ゴム工業 企画広報部の原田紗斗子さんは「社内でも最初は『この動画で本当に大丈夫?』という不安の声もありました。
しかし、現地の車好きのスタッフから『これは絶対にマニアに受ける。エンジン音が、車好きにとってどれだけワクワクするものだと思っているんだ!』という強い後押しがあり、公開につながりました」と振り返る。
マニアに好かれるコンテンツを
車好きから熱狂的な支持を受けるNITTO。740万人以上が登録しているFacebookのページには、同社のタイヤのトレッド(溝)を彫ったオリジナルの指輪を作ったり、トレッドの模様に髪型を変えてしまった人の写真がアップロードされるなど日本では考えられないようなコアなファンによる書き込みが相次ぎ、ページ自体のエンゲージメント度も高い。
このほかにも、ファンにNITTOの魅力を伝えてもらう「アンバサダープログラム」や、車情報を伝えるブログも展開。「car town」という車をカスタマイズして楽しむゲームアプリとコラボし、アプリ内にNITTOのタイヤなどが購入できるショップを設置するなど、ファンを巻き込むための工夫を凝らしている。
原田さんは「いかにファンが好むようなコンテンツをアップし続けていけるかが課題です。将来的には北米だけでなく、日本での認知度も高めていこうと取り組んでいます」と気を引き締める。今後は、ブランドムービーに次ぐ、第二弾のコンテンツのアップロードに向けて準備を進めている。
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