【前回のコラム】「「アイデアだけではなく“その周囲にまで想像を巡らせること”がポイント」——Jストリーム 白石会長に聞く」はこちら
このコラムでは、企業のトップに対して、人材育成について考えていることや実践していることを聞いていく。その中で、「マーケティング思考ができて、なおかつ実際に行動に移すことができる人材」を育成するにはどうすればいいのかを探っていきたい。
今回は、特徴あるポータルサイトを数多く運営している、エキサイト 代表取締役社長 今川 聖氏に伺った。
しっかりギブ&テイクができる「情報の発信者」であって欲しい
——貴社がリーダーとなるような社員に対して“求めている力”とは、どのようなものでしょうか?
まず、問題意識・危機意識・当事者意識の三つをしっかりと持っているという前提で、さらに三つの要素を求めています。一つ目は、「マーケティングの視点を持っていること」。リーダーというのは現場の責任者です。現在、インターネットのビジネスはレッドオーシャンになっており、すでにメジャーなものは出尽くした印象があります。ある意味でスキマのビジネスを見つけることが勝負となっている時代なので、競合や市場を見据えたマーケティングの視点を持っているかどうかが成功の分かれ目になると思います。
二つ目が「全体の動静を把握できる能力を持っていること」。つまり、世の中の流れについていくことですね。もちろん、スキルや経験も重要ですが、世の中の流れはそんなに簡単には変えられません。個人にできることは限られているので、流れに逆らうのではなく、流れをしっかりと見極めて乗りこなしてほしい。2009年ごろの話ですが、当社に“ネットの主役がスマートフォンに大きく変わる”と強く言い切ったリーダーがいました。その意見を取り入れて成功した経験があるので、当社は、リーダーの「世の中の流れを読む力」を非常に尊重しています。
三つ目は「情報の発信者になれること」です。マーケティングの視点を得るにも、世の中の流れを読むのでも、やはり情報が不可欠です。ただ、あくまで情報は「ギブ」が先で、それを行うから「テイク」がある。やはり、自分が情報発信者にならないと新しい情報は入ってきません。私はよく「データは人を通して初めて情報に変わる」と言っていますが、そのためには工夫や勉強が必要です。さらに、広く外に人脈を得ることも大切でしょう。新しい情報や人脈をきちんと得て、自身の意見をしっかりと持って、得た情報を外に発信することで、また新しい情報を得ていく……そういったプラスのスパイラルをしっかりと作っていけるかどうか。それがリーダーに求めている能力です。
「企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方」バックナンバー
- 「自分が感動できるような仕事をすること」——Kaizen Platform, Inc. 須藤CEOに聞く(2015/8/26)
- 「『俯瞰で捉える力』を生かしプロとしての専門性を高めてほしい」——メジャース 山本社長に聞く(2015/7/07)
- 「プロとしての誇りを持ち、もっと自らを肯定して仕事に臨んでほしい」ーベクトル西江社長に聞く(2015/6/10)
- 「新卒研修を半年実施し高い目線で考えることを学ぶ」——ネットプロテクションズ 柴田社長に聞く(2015/5/22)
- 「与えられたポジションに対して力が足りないほど、その差を埋めるスピードはあがる」――エンターモーション 島田社長に聞く(2015/4/30)
- 「“べき”ではなく“たい”が新しい価値を生み出す」——インフォテリア 平野社長に聞く(2015/4/20)
- 「創造力を駆使して顧客に期待以上の提案ができるか」——ビートレンド 井上社長に聞く(2015/4/07)
- 「情熱をもって行動し、その熱量で周囲を引っ張っていけるのがリーダー」——カタリナ マーケティング ジャパン 若林社長に聞く(2015/2/26)
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