総合繊維業のセーレンは6月5日、消臭インナー・アンダーウェアブランド「DEOEST(デオエスト)」から、父の日のギフト向け商品として「Blue Pants(ブルーパンツ)」を発売した。
「Gift the BLUE『BLUE PANTS for Father’s Day』-父の日に青いパンツを届けよう」をコンセプトに企画された同商品。デオエストの他商品と同様、特殊セラミックスナノ粒子で吸着した臭いを金属イオンで分解する高性能消臭素材を使用しており、人間が最も清潔な状態といわれる「お風呂上がり」の清潔さを長時間にわたり保つことができるという。
この商品特性を訴求するため、プロモーションに用いられたのは「お風呂の鏡」。東京・蒲田にある天然温泉「大田黒湯温泉 第二日の出湯」の鏡にARセンサーを取り付け、前に立った人の腰回りの動きに合わせて、鏡の中の腰の位置にブルーパンツを映し出す「Blue Pants Mirror(ブルーパンツミラー)」を開発した。新商品発表会は大田黒湯温泉で実施され、その場でミラーのお披露目も行われたという。
発売に合わせてオープンした特設サイトでは、ブルーパンツの消臭性能を検証した実験データとともに、ミラーを活用したWebムービーが公開されている。
主人公は、日本の銭湯を訪れた外国人観光客。母国との入浴スタイルの違いに動揺しながら身体を洗っていると、後ろに座っていた男性が立ち上がる。ふと見ると、鏡に映り込んだ彼の腰には例のブルーパンツが。次々と背後を通る入浴客の腰にも、漏れなくブルーパンツが映し出される。直接見ると裸なのに、鏡越しに見ると誰もがブルーパンツを履いているという愉快な光景に、主人公も楽しくなって一緒にミラーで遊び出す。そうして徐々に日本の文化に馴染んでいく様子がコミカルに描かれている。
こうしたユニークな表現手法をとった理由として、セーレンの担当者は「毎年、このシーズンに新商品発表会を行ってきたが、徐々にメディア露出が取りにくくなっていた。性能訴求や商品紹介だけではなく、『臭わない』ことを強力に印象づけたいと考え、『お風呂上がりの瞬間』に着目した。人間が最も清潔な状態を維持できることをデオエストの価値と捉え直し、それを表現するために“世界初の銭湯メディア”を開発、ムービーにまとめることでWebを介した認知度アップを狙った」と話す。
1889年の創業から100年以上にわたり培ってきた繊維技術を核に、建築、インテリア、介護など幅広い分野の資材を製造・販売してきた同社。代表取締役会長の川田達男氏による今年の年初挨拶では、化粧品や消臭インナーウェア、ファッション・スポーツ衣料などBtoC事業の拡大に注力する方針を表明した。消臭製品事業においては、「デオエスト」や、介護・医療製品の「イノドールクイック瞬感消臭」シリーズなど、高機能差別化商品のさらなる拡販をめざす方針としている。
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