電通は20日、海外本社電通イージス・ネットワークで事業を手がける8つの子会社グループに加え、「MKTG」(エムケーティージー)のブランド名を冠したグループを立ち上げると発表した。8つのグループは世界全体で、広告出稿メディアの買いつけや企画、広告表現、オンライン広告などを分担している。新たに加わるのは、体験イベントなどを通じて消費者と商品や企業との関係を強める「アクティベーション(顧客活性化)」領域。
新ネットワーク・ブランド「MKTG」は元々、2014年8月に買収を終えた企業の名称だった。同社の13年12月期の売上総利益は4290万ドル(約51億5000万円)。商品やサービスを体験させるイベントが得意で、顧客企業にはナイキや米ニュース専門放送局MSNBC、米ストックカー協会(NASCAR)、ゲータレード、タンカレーなど。
単に商品に触れるだけでなく、体験価値を重視する企画が目立つ。ナイキのトレーニング向け製品では、MKTGはフィットネス愛好者を招いて4週間にわたるプロアスリート級のプログラムを実施。ニューヨーク市街を舞台にバーベルをロープで引く「スレッジプル」などの過酷な筋力トレーニングを実施した。MKTGのイベントは年間7万件にも上る。
電通イージスは約1年をかけて、顧客企業の調整をしながらMKTGと同様のサービスを提供しているグループ企業を再編する。MKTGに組み込まれるのはpsLIVE(ピーエスライブ)、Crimson Room(クリムゾン・ルーム)、Apollo Nation(アポロ・ネイション)、Team Epic(チーム・エピック)など。企業名も変更となる予定。先日ピーエスライブとの統合が発表されたばかりのインドのファウンテンヘッドもMKTGとなる。
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