【前回コラム】「2016年の「広告効果測定」は、一つの施策ごとではなく全体で見てみませんか?」はこちら
日本はマーケターの社内評価と社外評価が乖離している?
では、日本の広告主と広告代理店がイノベーションのジレンマにはまらないために重要なポイントの一つは、広告の効果測定を施策ごとではなく俯瞰的に全体を見ることではないか、という話を紹介させてもらいました。
もう一つ、最近この広告業界のイノベーションのジレンマに関連して話題に上がることが多いのが、デジタルマーケティングが分かる人材の社内における位置付けについてです。ここではあえて「デジタルマーケター」と呼ぶことにしましょう。
昨年は、日本のデジタルマーケティング業界を代表するデジタルマーケターといえる花王の本間充氏と、良品計画の奥谷孝司氏が相次いで転職したことが非常に話題になりました。私自身もお二人にはデジタルマーケティングの取り組みや考え方など様々なことを教えてもらった経験があり、転職のニュースにはビックリしたものです。
こうした転身のニュースが話題になる中で、一つ気になる仮説を日本マーケティング協会の勉強会で耳にしました。それは、日米におけるデジタルマーケティングへの対応に対する姿勢の違いです。
米国においてはCMOがトップダウンで従来の典型的なマスマーケティングからデジタルマーケティングへのシフトを進める一方、日本においてはボトムアップでデジタルマーケティングが分かる人材が周囲の部署を巻き込んで対応しようとする、これはよく聞く話です。ただ、その結果、日本においてはデジタルマーケターの社内評価と社外評価が乖離してしまい、最終的にはデジタルマーケターの転職につながっているのではないか、という問題提起を含んだ仮説でした。
