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アイスクリームは「雨の降る前によく買われている」ーTwitterデータから紐解くユーザーインサイト

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2014年にTwitterが買収したソーシャルメディアAPIアグリケーションを提供するGnip(グニップ)。Twitterに加わることで、Gnipは新しいタイプのデータを市場に投入し企業のデータ活用の新たな可能性を切り開いている。
同社のData Account Management Director, Greg Schwarzer氏、Head of Data Marketing, Randy Almond氏, Sr. Publisher Solutions Manager, 後藤和枝氏に、事業モデルとマーケティングへの活用について話を聞いた。

写真右から、Data Account Management Director, Greg Schwarzer氏、Sr. Publisher Solutions Managerの後藤和枝氏、Head of Data Marketing, Randy Almond氏。東京のTwitter Japanオフィスにて撮影。

—Twitterのデータを活用した先進ケースを教えてください。

これまで企業のTwitterデータ活用と言えば、特定の範囲に限定したソーシャルリスニングを行うレベルで終わっていました。最近では、Gnipの製品を活用したソリューションを活用し、マーケターがより大きなスケールで複雑なブランドや自社製品の洞察をすることが可能です。Twitterデータの活用により、企業は他社の先手を打て、より高いパフォーマンスの実現につながります。

また自社に関わるツイートだけでなく、広く消費者理解にも活用が可能です。
例えば、ユニリーバでは40人のデータサイエンティストを集めて「ピープルデータセンター」を運用しています。そのセンターではTwitterデータと社内のデータを組み合わせ、より有効なインサイトの発見につなげています。

特にユニリーバの「BEN & JERRY’S」というアイスクリームのブランドでは様々な分析をしています。Twitterのデータと自社が持つデータを組み合わせて分析したところ、アイスクリームは「雨の降る前によく買われている」ということがわかりました。このストーリーは、それまでマーケターの方たちが思いつかなかったものです。さらにデータを分析したところ、「雨が降ると外出をせずに、家で映画を見ながらアイスを食べる」という行動パターンをとる人が多いことがわかりました。こうした分析ができると、広告活動の最適化にも生かすことができます。

—マーケティング領域以外にも企業で活用されているケースはありますか。

Gnip Head of Data Marketing, Randy Almond氏

経営層の中にもTwitterデータの有用性を理解し、活用する人も増えています。ある企業では、CEOが自分の部屋に巨大なモニターを設置し、そこで常にツイートされているキーワードトップ10を見られるようにしているそうです。また自社に関わる投稿も見ていて、ネガティブな投稿があった場合にはアラートを鳴らし、CEO自らが即座に反映ができるようにしています。経営の意思決定にTwitterのデータが活用されているケースといえます。

—社会課題の解決のため、使われていることもあると聞きました。

例えば、防災に活用されているケースがあります。
インドネシアのジャカルタは街の4割が海抜0メートル以下で、雨季の台風で毎年、大きな洪水の被害が出ていました。台風が来た際、被害の状況をリアルタイムに把握し、すぐに手を打つ必要があります。そこで、被害状況の把握のためにTwitterのデータが活用されています。市民は被害状況を官公庁へ連絡する前にツイートで発信していました。現在では、特定のハッシュタグをつけて、市民に各エリアの情報を発信してもらう取り組みへと進化しています。より迅速に情報を収集し、被害を最小限にとどめるための意思決定に使われています。

他にも、新薬のモニタリングで活用されています。新薬が認可を得て市場に出た後、服用した人たちのツイートをTwitter上で投稿から見つけ、モニタリングをする取り組みをしています。服用後の症状は製薬会社へ報告される代わりツイートされていたり、臨床試験の対象者は限られているので、服用し広く服用した人を見つけ、その人たちの投稿を分析することで試験時には気づけなかったような問題の発見も可能となっています。

—日本の企業にはデータ活用が後れているという意識があります。アドバイスをいただけますか。

Gnip Data Account Management Director, Greg Schwarzer氏

データ活用はステップ・バイ・ステップのアプローチをおすすめします。もし、まだ何もしていない企業であれば、ソーシャルリスニングから入りましょう。次の段階が、ツイートに対してポジ・ネガ分析をし、次のアクションにつなげられるデータ分析へと進化をさせていくのです。そうした活用の先にTwitterデータと社内で保持しているPOSやCRMデータを組み合わせ、より深いインサイトを得る取り組みがあります。
Twitterのデータと企業が持つデータを組み合わせることで、これまで見えなかったような消費者の意識や行動の発見につながります。日本から発信されたツイートはもちろん、世界中で発信されたツイートにアクセスできる点も当社の大きな特徴の一つです。
Twitterデータ活用にご興味のある方は、以下をご覧ください。



技術関係:http://support.gnip.com/
データパートナー企業に関するお問い合わせ:gniptokyo@twitter.com
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