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コラム

電通デザイントーク中継シリーズ

松尾先生、人工知能と広告の未来はどっちですか?【前編】

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【前回】「メンタリストDaiGoとファンドマネージャー房広治が語る「コンサルティングの心理学」【後編】」はこちら

今回の電通デザイントークは、「人工知能と広告の未来はどっちですか?」と題して、人工知能研究のトップランナーである東京大学・松尾豊准教授を、電通・並河進さんがお迎えします。「人工知能に今、何が起きているのか?」「人工知能は広告にどう活用されていくのか?」「広告の世界で人間にしかできないことは?」 など、人工知能が当たり前になっている未来と、そこでの広告の役割を想像します。

東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 特任准教授 松尾豊さん

「ディープラーニング革命」が起きている

並河:「人工知能といえば、東京大学の松尾先生」と呼ばれるほど、松尾先生は人工知能をテーマにしたテレビ番組に出演されたり、書籍を執筆されたり、ご活躍しています。まずは松尾先生から「人工知能の今とこれから」についてお話をいただきたいと思います。

松尾:はい、今日は人工知能の中でも「ディープラーニング」を中心にお話ししたいと思います。

2016年3月にグーグルの人工知能専門チーム「ディープマインド」が作った「AlphaGo (アルファ碁)」が、世界最高峰の棋士イ・セドル氏を破ったことは記憶に新しいと思います。これは、かなり衝撃的なことでした。なぜなら囲碁は複雑なゲームで、人工知能が人間に勝つのは2025年ぐらいだと予想されていたからです。それが10年も前倒しで実現してしまった。

この勝利の一番の要因が、ディープラーニングです。このテクノロジーに関する破壊的なイノベーションが次々と起き、何十年もできなかったことが実現するようになりました。

では、ディープラーニングでいったい何ができるのでしょうか。シンプルにいうと「認識」「運動習熟」「言語理解」の三つが可能になります。これらを順番に説明していきます。

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