【前回】「ニューヨークのビジネス街の中心に登場 Facebookのポップアップ・ストア現地レポート」はこちら
りばてぃ
Liberty & Friends, Inc.代表
ニューヨーク情報及び、海外情報に精通したマーケティング・コンサルタント。ブログ「ニューヨークの遊び方」を運営。企業向けのコンサルタント業務他、各種メディアへの執筆も多数あり。著書に、『ニューヨーク在住の日本人マーケティング・コンサルタントが語る「日本のビジネスに本当に必要なこと」』(2016年、幻冬舎)がある。
GoogleやFacebookの事例のように、アメリカではインターネット上でのサービスを提供してきたIT企業が、新たなマーケティング戦略の一環として、実際の店舗をオープンし、体験型ブランディングの効果と物理的なプレゼンスを持つ事例が増加し一種のトレンドになっている。
このトレンドは今や様々な企業に及んでいる。例えば、Eコマースから始まり実店舗をオープンした事例では、メガネ専門のEコマースのワービー・パーカー(Warby Parker)、メンズ・ファッション・ブランドのボノボス(Bonobos)、アクセサリーブランドのバーブルバー(BaubleBar)、コスメ企業のバーチボックス(Birchbox)、イタリアのシューズブランドのMジェミ(M. Gemi)、米国最大手のオンラインクラフトマーケットのエッツィー(Etsy)など多数存在する。
さらにこのトレンドは、インターネットやEコマース関連の企業だけでなく、長らく実店舗を出していなかった老舗の家具メーカーにまで及んでいる。
その家具メーカーとは、オフィス向け高機能イスのアーロン・チェアで世界的に有名なハーマン・ミラー(Herman Miller)。2016年11月、ニューヨークのグラマシー・パークに、直営の実店舗としては1967年以来49年ぶり、旗艦店としては北米初となる店舗をオープンし、各種メディアで話題になった。
この背景には、インターネット上でのEコマースサイトの予想外の成功があるという。2010年、同社の公式Eコマースサイトをオープンしたところ、アーロン・チェアを筆頭にハーマン・ミラー製の商品の認知度が向上し、新規顧客も増加。ブランドイメージと売上をさらに高めるため、直接、顧客とコミュニケーションをとれる場として、今回、直営店をオープンすることとなったそうだ。
ダウンタウンのグラマシー・パーク近隣、パーク・アベニュー沿いにオープンした店舗は、1階エリアがホーム関連、2階はオフィス関連となっている。老舗の家具メーカーならではの上質なデザインの品々が、まるで美術館のアート作品のように展示されており、見てまわるだけでも楽しめるようになっている。
周辺はミッドタウンの5番街やSOHOのようなショッピングエリアではなく、どちらかというとオフィス街になっている。なぜこの立地を選んだかというと、1970年代初頭から、ハーマン・ミラーのデザイン・ディレクターなどのオフィスが同ビルの3階以上の上層階の複数フロアに入居するなど関係性が深かったためとのこと。結果的に、出店場所のチョイスも、競合他社との店舗の差別化に繋がっているとも言えるだろう。
新着CM
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
クリエイティブ
BOVAグランプリに「Let’s ギューリッシュ」 短尺・縦型増加で...
-
クリエイティブ
世の中を変えようと挑戦する起業家をヒーローに――2023ACC賞審査委員長が語る
-
AD
マーケティング
ブランドスローガンやコンテンツの価値を、広くユーザーに届けるには
-
クリエイティブ
「これでいいのか?」これからの広告(東畑幸多)コピー年鑑2023より
-
コラム
語り出すと止まらない!櫻坂46の魅力(遠山大輔)【後編】
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
AD
特集
効果がわかる!デジタルOOHの活用事例
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始