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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

コピーを書くためには商品を知ること、でも愛さないことが必要

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[寄稿者一覧はこちら]

【前回のコラム】「何気ない一言が、誰かの人生を左右する。」はこちら

前回のコラムで、「なぜエビフライのイヤリング?」という反応をもらいました。あれは人見知り対策として「何か話題になるものを」と思い立ち、受賞コピーの「子どもが苦手なものは一度揚げてみる。」に因んで制作したものです。

粘土で出来ています。いざ壇上に上がったとき、頭が真っ白になってアピールするのを忘れました。無念。デザインフェスタに出す予定なので遊びに来てくださいね。

さて、大口叩いてコピーライター養成講座へ通い始めた私ですが、上位10名に与えられる金の鉛筆は貰えませんでした。就職活動をしても、内定は大学4年生の11月まで貰えませんでした。なので、講座の話はスルーです(腹いせではなく、説得力がないので…)。

ただ今回は講座の中でも学んだ「商品を知れ、でも愛するな」についてお話したいと思います。

「興味を持つと、見えてくるもの」

突然ですが、あなたが暮らす街のいいところはどこですか?

とある会社の入社課題です。街によって書きやすさに差はあるでしょうが、何よりも知らなければ書けないことです。

学生の頃、「何もない」と認識していた地元は現在、「何でもあるよね」と言える街になりました。街が変わったのではなく、視点が変わったのです。「遊ぶ街」から「暮らす街」へと。

アクセスが快適で多彩な店が揃い、緑に包まれ、リス園があり、昔ながらの商店街やディープスポットが点在し、ゆりかご(病院)から墓場までバッチリ安心。ある小説の舞台にもなりました。

地元(作者の出身地でもある)が舞台となった小説。映画化の際は近所がロケ地に。

この街って、けっこう便利じゃんと興味を持つたびに、気付いた新たな一面。私はありったけの地元愛を物語調にまとめて提出しました。結果、今もその会社で働いています。

最近知ったのですが、採用されたのはこの課題がきっかけで、いわく「よく物事を見ているなぁと思ったから」とのこと。毎度、ガチガチで挑んだ面接はあまり関係なかったと知って今さらながら脱力。

しかし、もし別の課題だったら、もし「何もない街」と一蹴したままだったら、私は今頃、何をしていたのでしょう。

次ページ 「「恋は盲目、ゆえに商品を愛してはならない」」へ続く