ビデオリサーチのAbemaTVリリース取り下げを題材に、「視聴率」と「視聴数」の違いをはっきりさせよう。

【前回の記事】「「72時間ホンネテレビ」が示した可能性を遠回りしながら考える」はこちら

調査会社がリリースを取り下げた

先月末はびっくりして、がっかりな件がありました。経緯は他のメディアの記事に書いてあるので、ざっと読んでみてください。

参考:ビデオリサーチ、「『ホンネテレビ』視聴者207万人」リリース取り下げ トップページで謝罪(ITmedia 17/12/04)

かいつまんで書くと、11月28日にビデオリサーチ社が「うちの調査パネルVR CUBICで調査したらAbemaTVを見た人は2.4%で、これを人口(15〜69才)に当てはめて、AbemaTVを視聴した人数は207万人と推計しました」というようなリリースを出したんですね。

ところが翌々日の11月30日にリリースを取り下げ「ご迷惑をおかけ」したと謝罪文を掲示した。それはどうやらサイバーエージェント藤田社長が取り下げるようクレームをつけたかららしい。ざっくりそんな内容です。

「ビデオリサーチが取り下げた」ことが話題になり、ヤフトピにもそのニュースが出ていました。かなりの数の人が知ったでしょう。

私は「取り下げた」ことにびっくりしました。調査会社が一度出したリリースを取り下げるなど前代未聞です。

さらに、それがサイバーエージェントの抗議が原因であり、そのことが藤田社長のつぶやきから明らかになったのもすごい展開。これを見て私はがっかりしました。

ビデオリサーチ社が抗議を受けて取り下げたのは、とても悲しいことだと思いました。調査会社が自社の調査パネルで何かを調べて発表する。推計の根拠も示しているし、そこには何も悪い点はありません。

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境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)
境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

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