萩原かおり
【前回のコラム】「「好きを仕事に」は甘いのか? 私がフリーのライターになる覚悟を決めた瞬間」はこちら
お金だって愛である
退職前からライター募集案件を探し、せっせと応募した結果、退職月には5社と契約し、全部で10案件持っていた。当時はあまり仕事を選ばなかったが、たったひとつ決めていたことは「会社員時代の給与を下回らないこと」。月半ばに退職したものの、退職月の稼ぎは会社員時代の給与を超えた。独立してから一度も会社員時代よりも低い金額になったことはないし、ここ1年は2倍以上をキープしている。
第1回のタイトルに「ライター独立1年半で年収1000万円稼ぐまで」と誇らしげに掲げたが、別にお金が目的ではないし、1000万稼いでやろうと思ってライターになったわけでもない。ただ、お金は大きな励みになった。お金は分かりやすい評価だからである。
会社に属さないフリーランスには、評価してくれる上司がいない。社員でもない人間に時間をかけるのは手間なので、フィードバックをもらえることはまれだ。原稿納品後の返信すらないこともある。自分が本当に成長しているのか、良い原稿が書けているのか、クライアントや読者は満足しているのか、よく分からない。でも稼いだ金額なら数値化できるため、指標になるのだ。以下が独立してから1年半の売り上げ推移グラフである。
お盆やら結婚式やら、プライベートの予定に応じて波があるものの、均すと点線になり、右肩上がりになっている。「ちゃんと稼ぐだけの力はついているんだ」と自分で自分の背中を押しながら歩いてきた。
何かと卑しく思われがちなお金だが、お金だってひとつの愛だ。自分の手で稼いだお金は求められた証であり、努力の証でもある。愛された女性が「私は愛される人間だ」と思ってどんどん美しくなるように、お金を稼ぐと「求められる仕事ができている」という自信が生まれる。自信はパフォーマンスを上げるのでさらなる成長につながり、好循環が生まれる。
それでは、どうやって稼ぎを増やしたのか。
講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。
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