萩原かおり
【前回のコラム】「企画書も原稿も、読む人の立場になって考えよう!」はこちら
「お給料は我慢料」は正論だろうか。
大人の皮をかぶった思考停止ではないのか。
諦めた人々の逃げ道ではないのか。
「好きを仕事にする」は戯言だろうか。
世間知らずの子どもが描く夢物語だろうか。
自分を信じた人だけが選べる道ではないのか。
思えばライターになるまでの道は終始蛇行運転、会社員としての素質は皆無で1年ごとに3回転職した。1リットルは泣いた気がするし、ダメ出しも星の数ほど受けた。それでも、これが私の最短距離だった。
辛酸舐め尽くしたおかげか、独立してからは全く仕事に困らず、独立1年半で年収1000万を突破した。上を見ればきりがないが、27の女にしてはそこそこ頑張っているのではないかと思う。
何かしらうまくいかずに悩んでいるライター志望者に、私の這い上がりエピソードを捧ぐ。
私はうまく“会社員”できない
「辞める奴に頑張られたって迷惑だ」
社会人1年目を終えた春、上司にこう言われた。
大学4年生の時に「コピーライター養成講座」を受けて広告に興味を持ち、求人広告の制作会社に営業として新卒入社した。しかし「広告を売る側じゃなく、作る側になりたい」と思い、1年で退社を決意。最後は売り上げ目標を達成したくて力技で営業していたら、上司に呼び出され、前述の言葉を吐き捨てられたのだった。実際には、上司に全く相談せずに転職活動を行い、すでに転職先を決めていたことが問題だったのだが。
「なんで最後に仕事をやり切るのが迷惑なのかわからない」と言って流したコップ1杯分の悔し涙も空しく、その後上司は私と口をきこうとしなかった。最終出社日も私には目もくれず速足で退社。慌てて追いかけ「ありがとうございました」と言うと、エレベーターが閉まる直前、上司は忌々しそうにこちらを睨んで「じゃあな」と言った。
次の会社はライターとして採用されたが、なぜか入社1年後には人手が足りないコールセンタースタッフに。人事面談で抗議したら、こう言われた。
「社長判断だから、まずは印象を良くすることだね。だまされたと思ってスーツ出社してごらん」
翌日、渋々スーツを着て朝早く出社したが、嫌で仕方なかった。スーツを着て早く出社したところで書くスキルは1ミリも上がらない。
目指す道のスタート地点にすら立てていないのに、一体私は何をしてるんだ?社長に気に入られるために働いているんだっけ?
絶対に違う。
「編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方」バックナンバー
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