【前回の記事】「『カメラを止めるな!』はなぜ爆発的にヒットしたか、考えられることを考えてみる」はこちら
の記事を公開してから早くも1カ月経ちました。そしてその後も、私はまだ『カメ止め』について考えています。まるでウィルス感染者のように、それにしてもなぜ?と悩んで熱にうなされているのです。
悩むあまり、10月3日には角川アスキー総研さん主催で「カメ止めヒットの理由」をテーマにしたセミナーをやってしまいました。同総研の吉川栄治氏によるエンタメツイート分析を披露してもらうのと、『カメ止め』プロデューサー・市橋浩治氏をお招きし、公開に至る過程、さらには拡大公開の経緯なども根掘り葉掘り詳しく聞いたのです。
その市橋さんのお話には、そこまで私が得ていた以上の情報が満載で、いくつか考えを新たにさせられる点がありました。
『カメ止め』は口コミがSNSで広がって大ヒットしたのはまちがいないのですが、そこに二枚も三枚も、別の要素が加わっていた。麻雀で言うと、口コミだけで満貫にはなっていたのが、口コミ以外の要素がイーハンもリャンハンも加わって三倍満できちゃった、みたいなことです。麻雀に例えても若い人は知らないでしょうけど。
最初に劇場に来たのは、年配層だった
まず最初の驚き。市橋さんから、最初に2館で公開された時のことを聞いたのですね。ミニシアター2館で公開したら、いきなり連日満員になった。「やっぱり口コミが届いた若い層が続々やって来たわけですね?」と聞いたら、「実は最初に来たのは年配層だったんですよ」と言うではないですか。「え?どうして年配層が?」「新聞の映画評を読んでくれたみたいなんです」。
