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オンラインでのアーティストのマネタイズを支援 ファンコミュニケーションにおけるDX

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ベクトルグループが設立した新会社Liver Bank(ライバーバンク)は、ライブ配信を軸としたファンコミュニティプロデュース事業を展開するため、Sun Asterisk社と業務提携。コロナ禍でタレントやアーティストを取り巻く環境が激変するなか、ライブ配信をはじめとするファンコミュニケーションのDXは、ファンとのコミュニケーションをどう進化させることができるのか。Liver Bankの秋保潤氏とSun Asteriskの大竹浩介氏に話を聞く。

コロナ禍で利用者が急増 拡大するライブ配信市場

—2020年12月にLiver Bankの設立に至った経緯とは。

秋保:ベクトルグループでは、子会社であるDirect Techが2019年に インフルエンサーマネジメント事業に参入。ライバープロダクションの「pino live」を設立するなど、ライブ配信事業を展開してきました。その間、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請などの影響があり、ライブ配信をする人も、視聴する人も急増。一方でベクトルグループが企業向けに提供するPR支援サービスにおいても、ライブ配信領域のニーズが拡大していました。そこでライバーの支援と、ライブ配信を用いた企業に対するコミュニケーション支援の事業を専門とするLiver Bankの設立に至りました。

展開する事業は、企業に対しては①インフルエンサーマーケティング事業を、ライブ配信をする人に対しては従来から行っていた②ライバーマネジメント事業を、その他③ライブ配信スクール事業に加え、④ファンコミュニティシステム事業を提供することになります。そして、この④ファンコミュニティシステム事業でSun Asteriskさんとタッグを組むことになりました。

—「誰もが価値創造に夢中になれる世界」というビジョンを掲げるSun Asteriskは、具体的にはどのような事業を展開しているのでしょうか。

大竹:当社は2012年の創業以来、企業のDX支援全般を手掛けてきました。強みは、世界4カ国6都市に1500名以上のエンジニアやクリエイターを抱えており、大企業やベンチャー企業の事業創出を、アイディエーションから開発・グロースまで一気通貫でサポートできること。この人的資源やこれまでの知見を生かし、新規事業・DX・プロダクト開発を手掛ける「クリエイティブ & エンジニアリング」と「タレントプラットフォーム」の、2つのサービスを提供している「デジタル・クリエイティブスタジオ事業」を展開しています。

—2社でタレント・アーティスト等のライブ配信機能付ファンコミュニティシステムを開発・提供していくそうですが、そもそもコロナ禍においてタレントやアーティストはどのような課題を抱えているのでしょうか。

秋保:ライブ配信を始めとする、オンラインでの活動のマネタイズの方法が確立されていない点が課題だと思います。そこで「YouTubeで成功しているタレントがいる」と聞くと、皆が同じような配信を始めてしまう。しかし、タレントさんごとに世界観もファン層も違うので、本来は自分に適したプラットフォームを選ぶべきですが、なかなかそこまでには至っていません。加えてオープンな場での発信はファンではない人たちの目にも触れることになるので、炎上のリスクも生まれます。そこでライブ配信に限らず、タレントさんが自分たちで運営できる、オンライン上のクローズドのファンコミュティが必要ではないかと考えるようになりました。

—2社で開発中のファンコミュニティシステムとはどのようなものですか。

大竹:目指しているのは、ファンコミュニケーションのDXです。当社のサービス開発力とベクトルグループのコミュニケーションのノウハウを掛け合わせ、タレントやアーティストごとに異なるファンコミュニケーションをスマートかつ円滑に管理でき、ライブ配信を基軸にエンゲージメントを高めることができるサービスの提供を目指しています。

秋保:私たちが目指しているファンコミュニケーションのDXにおいては、ファンに対してどのようなメッセージを伝え、どのようにエンゲージメントすれば、そのタレントに適したファンとの距離の縮め方ができるかがポイントになります。そこでプラットフォームを提供するといいましたが、タレント・アーティストごとにそこで行われるべき施策は異なる。そこに柔軟に対応できる仕組みをつくろうとしています。

Liver BankとSun Asteriskが目指す、ファンコミュニケーションのDX

大竹:コロナ禍においてこれまではメディアなどからお呼びがかかって仕事が成り立っていたタレント・アーティストも、待ちの姿勢ではなく、自らファンに対した新しいサービスを企画・開発していく必要が生まれています。自分から出て行って、自分の魅力を表現する必要がある。その実現のために必要なのは、コアファンに確かな価値を届けることにフォーカスすること。今回の事業を通じて、人を基点とした熱狂の種をつくるお手伝いをしたいと考えています。

—従来のファンクラブとの違いはどこにありますか。

大竹:イメージとしては、ファンの中でも上位1%ぐらいのコアターゲットを対象にしたプラットフォームを目指しています。これまでのファンクラブは、たとえばライブチケットの先行販売などの特典がありましたが、オンラインのファンコミュニティでは、ファンにとっての特典をタレント一人ひとりが考える必要がある。一人ひとりが持つストーリーに合わせた、エンゲージメントのための施策も一緒に考えて支援していけたらと考えています。

活動に参加できることに喜びも企業コラボの商品開発にも期待

—タレント・アーティストが、インタラクティブにコミュニケーションが取れる、独自のファン基盤を構築すれば、そこでコラボレーションをしたいと考える企業も多いのではないでしょうか。単なるインフルエンサーマーケティングや広告への起用とは違った施策が実現しそうです。

秋保:コアなコミュニティに対して圧倒的な影響力を持ったタレントさんが発信すれば、当然購買に対する影響も高くなるでしょう。

もちろん、ファンとのコミュニケーションの場なので、タレントさん自身の世界観や考えにマッチした企業やブランドに限定されると思いますが、リーチの規模感で測られる広告とは異なるコミュニケーションが実現すると思います。

大竹:ファンにしても、好きなタレントの活動に参加できることは魅力だと思います。例えば、企業を巻き込んだオリジナル商品の開発など、広告的なことだけでなく、ファンコミュニティという場を活用した施策は考えられのではないでしょうか。

—ファンコミュニティの未来についてお2人が考えていることをお聞かせください。

大竹:例えばオンライン握手会は、今まで地方に住んでいるので参加できなかったファンにとって大事な体験となるように、将来は海外のファンがアプリを通じて他の国のファンとコミュニケーションを取れるようにすると、面白いマーケットになると思います。

秋保:今後5Gが浸透した世界においては、リアルタイムに映像画面越しにできることが増えてきます。またコミュニケーションの領域において、タレントやアーティストに限らず、個の力が世の中に影響を与える時代になっています。我々は、5G時代に対応したライブ配信で、個の力をエンパワメントしてファンとつなげ、最終的には企業とコラボレーションをして、その個が収入を得られるようになり、さらに面白い取り組みに挑戦できる、そういう連鎖を生み出していきたいと考えています。

株式会社Sun Asterisk
ビジネスプロデューサー
大竹 浩介

美大を卒業後、LINE、mixi等多数の事業会社にて複数の新規事業立ち上げを経験。その後17Liveにて、LIVE配信アプリのアートディレクターとして従事。日本におけるLIVE配信アプリ可能性と盛り上がりを肌で感じながら、自身による配信プロダクト開発の場を求めて2019年よりSun*に参画。様々なDXソリューションの豊富な同社でBizdev、新規事業の立ち上げを担当。現在LIVE配信事業のビジネスプロデューサーとして統括。

 

株式会社Liver Bank
代表取締役
秋保 潤

大学を卒業後、バリューコマース株式会社にて営業や複数の新規事業立ち上げを経験。退職後起業し人材関連会社を経営。その後、ライブ配信領域の成長性に惹かれ、業務委託としてDirect Tech社のライバーマネジメント事業をサポートし、2020年10月に正式ジョイン。2020年12月、ライブ配信領域のコミュニケーションカンパニーとして株式会社Liver Bankを設立し代表取締役に就任。

 



お問い合わせ
株式会社Liver Bank
〒107-0052 東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ17F
TEL:03-5572-7370
E-mail:info@liverbank.co.jp
URL:liverbank.co.jp