広告は必要か?ニュースが教えてくれた答え

【前回コラム】「広報と映像を同時に手がけた3週間。震災体験に耳を傾ける社内イベントの話」はこちら

広告をつくって24年、ニュースを支える広告の意味に気づく

私が広告会社から、スマートニュースに転職したのは、広告というものをもう一度根本的に考え直してみた結果でもあった。長くマーケティング・コミュニケーションの世界にいたせいで、広告のマーケティング機能面に自分の意識が行きすぎていた。そんな反省とともにたどり着いたのは「広告なしではニュースは存在できない、広告とニュースは表裏一体」という視点だ。

ニュースのない世界を想像できるだろうか?もちろんニュースの質やあり方には、一人ひとり意見があるだろう。それでも、私たちはニュースによって政治の動きを知り、経済の兆しを知り、社会に困窮している人がいることを知り、好きだったアーティストの再結成を知り、タレントさんの恋愛話に共感したり怒ったりしながら、毎日を生きている。ビジネスパーソンとしての自分にも、生活者としての自分にも、ニュースが必要だ。

“フィルターバブル”という言葉がある。これは、情報テクノロジーの進化によって、ユーザーが関心を持ちそうな情報をリコメンドできるようになったが、その仕組みが効きすぎると、その人が見たい情報ばかりが届けられることになり、それぞれが全く違う世界を生きているような–まるで、一人ひとりが情報フィルターのバブルの中に閉じ込められているような–状態になっているのではないか?という警告を込めた言葉だ。特に近年のアメリカの大統領選挙では、保守派とリベラル派それぞれの人々が、全く違うニュースを見ているのではないか?ということで話題になった。

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原田 朋(スマートニュース株式会社 社長室 エグゼクティブ・コミュニケーション&クリエイティブ・ディレクター)
原田 朋(スマートニュース株式会社 社長室 エグゼクティブ・コミュニケーション&クリエイティブ・ディレクター)

1996年博報堂入社、コピーライターからクリエイティブディレクターへ。2010年TBWA\HAKUHODOへ出向、2013年から1年間ロサンゼルスのTBWA\CHIAT\DAYに滞在しアドタイコラムを執筆。2016年quantumへ出向。2018年博報堂帰任。2020年12月より現職。企業広報・PRとブランディングの融合が強み。1999年日経広告賞グランプリ。2012年JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト。2013年日本PR大賞。2014年カンヌライオンズPR部門審査員。

原田 朋(スマートニュース株式会社 社長室 エグゼクティブ・コミュニケーション&クリエイティブ・ディレクター)

1996年博報堂入社、コピーライターからクリエイティブディレクターへ。2010年TBWA\HAKUHODOへ出向、2013年から1年間ロサンゼルスのTBWA\CHIAT\DAYに滞在しアドタイコラムを執筆。2016年quantumへ出向。2018年博報堂帰任。2020年12月より現職。企業広報・PRとブランディングの融合が強み。1999年日経広告賞グランプリ。2012年JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト。2013年日本PR大賞。2014年カンヌライオンズPR部門審査員。

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